アークス、5.3億円調達し事業加速
生殖補助医療の自動化の実現を目指す株式会社アークスは、プレシリーズAラウンド(1st close)で約5.3億円の資金調達を実施した。本ラウンドでは、ジャフコ グループ株式会社をリード投資家とし、既存投資家の株式会社ディープコア、株式会社みらい創造インベストメンツ、および新規投資家のみずほキャピタル株式会社が引受先となっている。さらに、2025年3月までに2nd closeとして追加で約2億円の調達を予定している。
アークスはこれまで、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が運営する「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)/STSフェーズ」事業、および厚生労働省の「中小企業イノベーション創出推進事業(厚生労働省SBIR事業)」等の助成金などを活用し、研究開発中心に取り組んできた。今回調達した資金は、引き続き研究開発の推進、臨床研究、さらには国内及び海外における社会実装、そして組織拡大に伴う人材採用に充てる予定だ。
生殖補助医療とは、体外受精や顕微授精など、高度に人の手を介在させた不妊治療のことを指す。出産年齢の高齢化が進む先進国で近年著しく増加しており、2022年には日本の子供の10人に一人が生殖補助医療で誕生している。今後世界的にも生殖補助医療での出生数は増加していくと予測されている。
一方、生殖補助医療を行う医療機関においては、医療の質を維持・担保し、治療の成功率を向上させるのは簡単ではない。アークスは、不妊治療の質を高め、より多くの人々が安心して治療を受けられる社会の実現に向け、研究開発を進めていく方針だ。
アークスの棚瀬将康代表取締役は、「生殖補助医療の中でもラボと呼ばれる精子や卵子を直接扱う施設内を効率化・高精度化しようとするスタートアップは日本ではあまりなく、一方で、欧米、イスラエル、中国等では多くの新興企業が立ち上がっている。アークスはこれからも研究開発は継続していきますが、国内だけではなく海外においても社会実装も進め、多くの患者様、医療機関様のお役に立てるよう、邁進してまいります」とコメントしている。