三菱総合研究所、AIロボット実装を支えるRSP構築・発展に向け3つの提言を発表
株式会社三菱総合研究所は、AIロボティクスの社会実装を加速させるため、ロボットを現場で継続的に「使いこなす」ための仕組みに着目し、ロボット・サービスプロバイダー(RSP)の構築・発展に向けた3つの提言を取りまとめました。
日本では構造的な人手不足が深刻化しており、同社の分析によると「生産」「サービス」の分野でAIエージェントやAIロボティクスを実装しても、2040年に約144万人の人手が不足すると推計されています。こうしたなか、同社は需要側と供給側をつなぎ、AIロボットをサービスとして継続的に活用するための基盤となるRSPの必要性を提示しています。
提言1 RSPを「作る」:需要側と供給側をつなぐRSPを新たな産業として育成
AIロボットの普及には、開発や供給にとどまらず、現場課題と技術を結び付けて選定・導入から運用・保守、データ活用、継続的改善までを支える仕組みが求められます。RSPはこれらを一体的に担い、需要側が継続的なサービスとして利用できる環境を提供する存在です。
特に複数企業の需要を束ねてサービスを提供することが市場の裾野を広げる上で重要とされており、製造業やSIerのほか、リース、人材、流通、清掃といった多様なプレイヤーの参入を促進し、新たなサービス市場の形成を目指すとしています。
提言2 RSPを「支える」:RSPの競争力を決める4つの共通要素の強化
RSPを持続的な事業として成立させるための要素として、提言では以下の4つを挙げています。
- データ
- 基盤モデル
- 人材
- 安全・セキュリティ
すでに進められているデータ収集や基盤モデル、安全性評価などの取り組みを活用・発展させながら基盤整備を進め、継続的な社会実装へつなげていくことが求められるとしています。
提言3 RSPを「広げる」:重点分野でのRSPの実践と成功モデルの業界全体への横展開
提言では、建設、インフラ点検、介護・生活の3分野を重点分野に設定し、それぞれのRSPの具体像を示しています。産業界が主体となって成功モデルを形成したうえで業界全体へ展開し、スケール化を進める方針です。
政府に対しては、初期導入や標準化、データ連携、共通基盤を通じた環境整備への期待が示されています。同社の推計によると、RSPを活用してAIロボットの社会実装を拡大することで、2040年には「生産」「サービス」分野で見込まれる労働力不足の約30%を解消できる可能性があるとしています。
今後の展望と課題
RSPの構築・発展に向けては、事業モデルの確立、データの協調領域と競争領域の整理、業界特化基盤モデルの形成、人材の育成・共有、安全・セキュリティの共通要件や標準化などが課題として挙げられています。また、限られた専門人材で多数のロボットや顧客を支援できる仕組みの構築も重要視されています。

同社は今後、産業界や政府・関係機関と連携しながら事業モデルや共通基盤の具体化を進め、重点分野の現場を起点に社会実装とスケール化の検討を深める方針です。
発表元の概要
- 社名:株式会社三菱総合研究所
- 代表者:代表取締役 社長執行役員:籔田健二
- レポート全文タイトル:AIロボティクスを「使いこなす」社会へ
本記事は株式会社三菱総合研究所の発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



