アークエッジ・スペース、有人与圧ローバ向けLANS受信機の概念設計相手方に選定
超小型衛星のソリューションを手がける株式会社アークエッジ・スペースは、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構:Japan Aerospace Exploration Agency)が実施した企画競争「有人与圧ローバ搭載用LANS受信機の概念設計」の契約相手方に選定された。将来の有人月面探査で使用される有人与圧ローバへの搭載を想定し、将来の開発移行に向けた概念設計を実施する。開発期間は2026年9月~2027年3月となっている。
月面での測位・航法を支える「LANS受信機」
LANS(Lunar Augmented Navigation Service)は、国際的な月通信・測位の枠組みである「LunaNet」に基づき、月面や月周辺で測位・航法サービスを提供する仕組みである。本件では、将来の有人月面探査で活用される有人与圧ローバへの搭載を見据えた受信機について、概念設計が進められる。
概念設計の具体的な検討内容
概念設計では、受信機の質量、電力、排熱などのリソースを含む基本構成を検討する。さらに、有人与圧ローバシステムとのインタフェースや、RF適合性試験やEnd-to-End試験を含む検証・試験計画、コスト・スケジュール・リスクを含む開発計画を策定する予定だ。あわせて、開発移行前に技術成熟度の向上が必要となる項目を抽出し、課題と対応策を具体化するとしている。
送る側から受ける側への技術展開
アークエッジ・スペースの衛星測位事業部 部長である渋川 季裕氏は、月面での測位・航法について将来の有人月面探査を支える基盤技術であるとした上で、「有人与圧ローバは継続的な月面探査の中核となるプロジェクトであり、それに搭載する測位・航法用受信機の検討に取り組めることを、とても楽しみにしています」とコメントしている。
同社はこれまで、宇宙戦略基金「月測位システム技術」のもとでLNSS実証衛星の開発を通じ、月への測位信号を「送る側」の知見を培ってきた。今回の概念設計はその信号を月面で「受ける側」に挑む取り組みであり、地上のGNSS受信機とは異なる月面ならではの制約と向き合いながら、将来の有人月面探査で実際に利用される測位・航法システムの実現につながる設計を着実に進めていくとしている。
株式会社アークエッジ・スペースの概要
同社は、超小型衛星コンステレーションの企画・設計から量産化、運用まで総合的なソリューション提供を行う宇宙スタートアップ企業である。福代 孝良(ふくよ たかよし)氏が代表取締役CEOを務め、東京都江東区有明一丁目3番33号ドーム有明ヘッドクォーター3階に本社を置く。今後は地球観測、船舶向け衛星通信(衛星VDES)、光通信、低軌道衛星測位等に対応した超小型衛星コンステレーションの構築を実現するとともに、月面活動にむけた衛星インフラ構築や深宇宙探査など、多様なミッションニーズに対応する宇宙の開発利用を推進する方針を示している。
- 設立:2018年7月
- WEB:https://arkedgespace.com/
本記事は株式会社アークエッジ・スペースの発表をもとに作成。
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