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デンカ青海工場、ABBの予知保全導入で重大トラブルを45%削減

デンカ株式会社は、主力製造拠点である新潟県糸魚川市の青海工場において、ABBの予知保全ソリューション「ABB Ability™ デジタルパワートレイン」の導入を進めています。防爆認証を取得したワイヤレスセンサを活用して回転機器の健全性を継続的に監視することで、事後対応中心の保全体制からの転換を図っています。この取り組みにより、生産ライン停止を伴う回転機械の重大トラブルが年間20件から11件へと45%削減されるなどの成果が得られています。

定期保全の課題と予知保全の試験導入

1915年創業のデンカは、リチウムイオン電池や半導体向け材料、建設ソリューション、ヘルスケアなどを展開する大手化学メーカーです。主力拠点である青海工場では、一定周期で設備を整備するタイムベースメンテナンスを実施していましたが、整備不要な設備への介入や故障の初期兆候の見逃しが発生し、高速回転機器の突発停止による機会損失が課題となっていました。

デンカは2022年、青海工場の8台の回転機器を対象に「ABB Ability™ デジタルパワートレイン」の試験導入を開始しました。構内の大部分が防爆エリアである制約に対し、日本の規制要件に基づく防爆認証を取得したワイヤレスセンサを既存設備へ後付けすることで、大規模なインフラ投資を伴わずに導入を実現しました。セルラー接続用のゲートウェイ設定やAPI連携による操業監視システムへの直接接続など、導入はABBの認証エンジニアによってエンドツーエンドで支援されました。

重大トラブルが45%減少、計画外停止を約90%防止

導入の効果として、振動異常の早期検出が可能になったことで予期せぬ停止が計画停止へ切り替わり、緊急呼び出しの減少につながりました。導入範囲は段階的に拡大され、2026年までにモニタリング対象設備は8台から277台へと広がり、無機化学と有機化学に重点を置くプラントの双方をカバーする規模になっています。

インシデントデータにおいては、導入前に年間20件発生していた生産ライン全体の停止を引き起こす重大トラブルが、2025年には11件へと45%削減されました。この11件のうち、スマートセンサによるモニタリング対象設備に関係していたのは1件のみで、同プラットフォームはモニタリング対象設備における計画外停止の約90%を防止したとしています。残りのインシデントはモニタリングプログラムの対象外であった設備で発生したものです。

デンカ青海工場青海エンジニアリング部設備管理課長の遠藤岳志氏は、継続的な可視化によって何をいつ修理すべきかを正確に把握できるようになり、より安全で信頼性の高い操業が実現できるようになったと述べています。

デンカは青海工場での取り組みを一過性のものではないとし、4年間の実績を踏まえてモニタリング対象設備の範囲を引き続き拡大していく計画です。振動異常の早期検出が標準的な業務となるなか、次の段階としてより高度な予測機能の活用も視野に入れています。

ABBモーションサービス事業部サービスセールスマネージャーの神尾彰吾氏は、信頼できるデータと現場の規律ある運用を組み合わせることで、設備状態の継続的な可視化を通じた意思決定が行われた成果がインシデント記録に表れていると評価しています。

本記事はデンカ株式会社およびABBの発表をもとに作成しました。

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