スマートエコーと鳥取大医学部、妊婦の超音波画像から母児リスク検知するAIモデルを共同開発へ
株式会社スマートエコーは、鳥取大学医学部と妊娠期の超音波画像を用いた母児リスクの検知・予測のための人工知能(AI)画像診断モデルの開発を研究題目とする共同研究契約を2026年10月1日付で締結した。同社が提供する妊婦向けスマホエコー「ポケマム」の技術を応用し、診療データをもとに産婦人科専門医が認める異常所見を自動検出するモデルの開発と検証を進める。2027年度内に基盤技術の確立やAI分析アプリ開発、海外での医療支援を予定している。
共同研究の背景と目的

超音波検査は妊娠期の胎児の発育や母体の状態を把握する重要な検査だが、画像の撮像や評価には専門知識と経験が求められる。産婦人科専門医や熟練検査者などの医療資源が限られる地域では十分な活用が難しい場合があり、特にアフリカや東南アジアをはじめとする地域では医療アクセスや専門人材、設備、コストといった課題が存在する。

代表取締役社長の高多伊吹氏(東京大学大学院総合文化研究科 言語情報科学専攻 博士後期課程)が研究責任者を務める株式会社スマートエコーは、ポータブル超音波機器とAI技術を組み合わせた事業を展開してきた。今回の研究では、臨床的知見を持つ鳥取大学医学部とともに、専門医や熟練検査者が限られる環境でも超音波スクリーニングの質を向上させ、母児リスクを早期に検知できる基盤技術の構築を目指す。
診療データを活用したAI画像診断モデルの開発内容
研究では、鳥取大学医学部附属病院等で診療の過程において取得された妊娠期の胎児・産科超音波画像・映像および関連診療情報を後方視的に利用する。個人を特定できる情報を除去・管理し、倫理的・情報セキュリティ上の措置を講じた上で解析を行う。
主な研究内容は以下の通り。
- 妊娠期の超音波画像から、臨床的に意義のある異常所見を検知するAIモデルの開発
- AIモデルの学習および性能検証
- 母児アウトカム予測に関する探索的検討
- 超音波画像の標準断面分類や解剖学的構造抽出に関する検討
- 産婦人科専門医とAIモデルとの性能比較
- AIモデルの公平性に関する評価

なお、本共同研究はAIモデルの研究開発および性能検証を目的としており、発表時点において一般診療に提供することを発表するものではないとしている。
得られた知見や技術は、将来的に日本国内だけでなく、産婦人科専門医や高度な超音波診断環境へのアクセスが限られるアフリカや東南アジアなどでの社会実装を視野に入れている。大型設備や専門人材が十分でない地域でも、スマートフォン等と接続できるポータブル超音波機器とAI画像分析技術を組み合わせたスクリーニング環境の構築を目指す方針だ。
これにより、リスクの早期把握や専門医療への接続、医療従事者の負担軽減、診療コスト低減などを図り、母子保健サービスをより多くの地域へ普及させることを目標に掲げている。今後はポータブル超音波機器や電子医療情報システム等と組み合わせ、持続的に利用可能な仕組みづくりを進めるとしている。
株式会社スマートエコー 概要
- 鳥取本社:鳥取県米子市天神町2-48
- 東京本社:東京都港区白金3-7-18-503
- 代表取締役社長:高多伊吹
- 事業内容:超音波エコーを軸とした製品・サービスの研究開発・提供、妊婦向けスマートフォン専用超音波エコーサービス「POKEMUM(ポケマム)」、超音波エコーとAI画像分析を組み合わせたシステム、フェムテック関連製品・サービスの展開等
本記事は株式会社スマートエコーの発表をもとに作成。

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