千葉県香取市、慶應義塾大学と連携し「スローシティ」の視点で地域の魅力を再発見
千葉県香取市は2024年11月20日、慶應義塾大学SFC研究所と「地域力再発見に関する連携協力協定」を締結した。この連携は、自治体としては香取市が初めての取り組みとなる。
香取市には、歴史や文化、自然など他にはない豊かな資源が満ち溢れている。今回の連携では、イタリア発祥の地域資源再評価の取り組みである「スローシティ」の視点から、大学生がソトからの目線で香取市の地域資源を再発見し、「地域への誇りと愛着(シビックプライド)」を育むことを目指す。
2024年度は、市内全域を対象に地域研究を実施。大学生が市民の協力の下、地域の伝統行事などに参加し体験・交流していく。年度末には、研究成果の中間発表を行い、地域の人たちと大学生が感じた魅力を共有する予定だ。
慶應義塾大学SFC研究所長の飯盛義徳教授は、「香取市には、歴史や文化、自然など他にはない豊かな資源に満ち溢れています。地域づくりには、これらの資源を存分に生かしていく資源化が求められています。」とコメント。「スローシティの視点から、地域の人々と学生との協働で香取市の新たな魅力を再発見して、シビックプライドの醸成につながっていけばと期待しております。」と述べた。
スローシティとは、イタリアで始まったまちづくり運動で、地域の歴史や文化、自然・風土を大切にしながら、等身大のまちづくりを目指す考え方を持つ。2024年5月10日時点で、世界33カ国297都市が「スローシティ」として認定され、国際的なネットワーク「スローシティ国際連盟」に加盟している。
香取市は古代からの歴史文化を地域の人々が連綿と継承し、発酵などの食文化や伝統行事、自然に根差した独自の生活様式などを大切に育んできた。持続可能性のある新たな地域の発展を考えたとき、「スローシティ」の理念は、これからの香取市の地域づくりに合致するものといえる。
今回の連携を通じて、「スローシティ」の視点で地域資源の価値が再認識され、市民の地域への愛着と誇りが醸成されることが期待される。