NTTドコモと米AbsideがHAPS活用とAI次世代網の実現へ基本合意
株式会社NTTドコモと米国の通信機器メーカーであるAbside Networks, Inc.は、HAPS(High Altitude Platform Station)を活用した将来の通信基盤構築およびAIを活用した次世代ネットワークの実現に向け、2026年10月13日に基本合意書を締結しました。両社は、HAPSを用いた広域・大容量・多接続通信、ネットワーク制御、データ活用などの分野における将来的な協力に向けた共同検討を進めます。本件は、NTTグループ各社等が展開する宇宙ビジネスのブランド「NTT C89」の取り組みの1つです。
取り組みの背景と合意の経緯
株式会社NTTドコモは、成層圏を飛行する無人飛行体であるHAPSを活用した通信サービスの実現に向けた検討や実証を進めています。成層圏環境では地上と異なる条件への対応が求められ、高品質な通信サービスの提供には成層圏環境に適した無線アクセスネットワーク(RAN)や通信機器の開発に関する特別な知見や経験が必要です。
一方、Abside Networks, Inc.は、Google LLCが推進した成層圏通信プロジェクト「Project Loon」を通じて培った成層圏における通信の知見や経験を持ち、HAPS向け通信機器やRANの開発、非地上系ネットワーク(NTN)やAIを活用したネットワーク制御技術の開発に取り組んでいます。
両社はこれまで技術的な方向性について継続的な議論を行ってきました。その結果、互いのビジョンや技術が相互に補完し得ることを確認し、地上から成層圏、宇宙を統合した将来のネットワーク実現に向けた協力の可能性を共同で検討するため、合意書を締結しました。
共同検討における主な内容
両社は将来的なHAPSの活用に向け、以下の技術協力について共同で検討を行います。
- HAPSを用いた広域・大容量・多接続通信を実現するためのシステムアーキテクチャ
- 成層圏のRANにおける需要予測やビーム、容量、周波数および干渉の制御に関するAI適用
- 成層圏における通信品質やネットワーク運用、センシングデータの収集および活用
- 外部アプリケーションやサービスプラットフォームとの将来的な統合
将来のネットワーク構想と今後の展開
株式会社NTTドコモは、HAPSをはじめとするNTNの取り組みとAIを統合した3次元通信基盤による将来のネットワーク構想「AI 3Dネットワーク構想」をドコモ独自の構想として検討しています。AI活用の拡大に伴う通信需要に対応するため、地上系ネットワーク(TN)に加えて成層圏を含むNTNを活用した広域・大容量通信と高度なネットワーク制御の実現をめざしており、TNとNTNを統合的に制御するRAN技術やネットワークオーケストレーション技術が重要とされています。
Abside Networks, Inc.は、TNおよびNTN向けのRANにおいて、多数のアンテナ素子(Very Large Array)を活用して高い空間分解能と精密なビーム制御を実現する無線機器を開発しているほか、地上、成層圏、宇宙にまたがるネットワークを統合的に制御するAIドリブンなソフトウェアプラットフォームの開発も進めています。今後は両社が知見と技術を持ち寄り、HAPSを含むAIを活用した次世代通信基盤の実現に向けた共同検討を進める方針です。
Abside Networks, Inc.について
- 所在地: 米国マサチューセッツ州
- 事業内容: 移動通信事業者向け無線機器、企業・政府機関・防衛分野向けプライベート無線システムの開発
- 提供製品: TNおよびNTN向けにAI連携に対応したRANおよび無線機の製品群「AI3DR™」を提供
本記事は株式会社NTTドコモとAbside Networks, Inc.の発表をもとに作成しました。
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