NoBorderが学術界の構造的課題に迫る番組第68回をYouTubeで公開
株式会社NoBorderは、展開するニューメディア「NoBorder」において、日本の学術界が抱える構造的な問題を議論したエピソード「#68 【現役学者が暴露!】『学者が一番人間のクズ』─金と研究費に群がる“学術界の闇”」を10月10日21:00にYouTubeで公開した。番組では、日本の研究力低下をテーマに、研究費の配分基準や大学と行政の関係、若手研究者の待遇、研究不正など多角的な視点から意見が交わされた。
研究費の配分基準と巨額支援を受ける大学の研究倫理
番組では、国立大学法人の運営費交付金が法人化以降に約1,600億円減少している現状が取り上げられた。物価や光熱費が高騰する中で基盤的経費が削減される一方、理系分野への転換などに巨額の公費が投じられている実態に対し、大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は配分が十分に機能しているのかと問題提起した。これに対し、元TBS最年少プロデューサーの和田悟氏は成果や競争力が期待できる大学・分野へ重点投資すべきだと主張し、大正大学准教授の田島悠史氏は社会科学が果たす役割など短期的な経済効果だけでは測れない学問の重要性を指摘した。
また、国が約10兆円規模の大学ファンドを通じて国際卓越研究大学への支援を進めるなか、認定を受けた京都大学での研究論文改ざん事例にも言及された。筑波大学准教授の掛谷英紀氏は、研究費を一部に集中させることで組織評価の維持が優先され、不正の公表が遅れる懸念を示した。さらに、掛谷氏は新型コロナウイルスの起源に関連して研究活動に起因する可能性を指摘したが、世界保健機関の見解として動物から人への感染の可能性が高いとしつつも研究関連事故の可能性も完全には排除されていない現状が示され、科学研究の自由とリスク管理の両立が議論された。
若手研究者が直面する不安定な雇用と人材流出
若手研究者を取り巻く厳しい環境についても意見が交わされた。石渡氏は博士号取得後も安定した職に就けず任期付きポストドクターとなる問題を指摘し、田島氏も単年度契約の教員が短期的な成果を求められることで大規模な研究に挑戦しにくい現状を挙げた。
和田氏は、待遇面を理由に優秀な理系人材が外資系金融やIT企業へ流出していると述べ、日本の研究力低下への影響を危惧した。番組内では、研究費の総額だけでなく研究者のキャリア形成や待遇改善の必要性が提示された。
日本学術会議のあり方とAIによる偽論文への懸念
日本学術会議をめぐっては、2020年に推薦候補105人のうち6人が任命されなかった問題や、安全保障研究への姿勢が議論された。タレントのフィフィ氏が公費負担や防衛研究への影響に疑問を投げかけ、NoBorderオブザーバーの上杉隆は活動内容の説明責任を求めた。田島氏は一般研究者への影響は必ずしも大きくないと述べた一方、掛谷氏は工学系研究者が影響を受けてきたと反論した。日本学術会議は2026年10月1日に法人へ移行したとし、透明性と説明責任の確保が問われている。
終盤では、偽造論文を販売する「ペーパーミル」の問題を取り上げた。1999年から2024年までのがん研究論文を機械学習で分析した調査では、対象論文の約1割がペーパーミル由来の可能性を示す特徴を持つと推計されている。生成AIによる不正論文の増加や不適切なAI査読への懸念に対し、科学への信頼をいかに維持するかが課題として示された。
番組の配信概要と出演者情報
配信エピソードの概要および主な出演者は以下の通り。
- 番組名:NoBorder
- エピソード:#68
- タイトル:【現役学者が暴露!】「学者が一番人間のクズ」─金と研究費に群がる“学術界の闇”
- 公開日時:10月10日 21:00
- 視聴方法:YouTubeにて無料視聴(視聴URL:https://youtu.be/X8cohR5yB7w)
- 司会:溝口勇児(NoBorder CEO)、上杉隆(NoBorderオブザーバー)、小島みゆ(NoBorder広報)
- 出演者:石渡嶺司 氏、掛谷英紀 氏、田島悠史 氏、フィフィ 氏、和田悟 氏、木幡涼真(NoBorder運営責任者)
本記事は株式会社NoBorderの発表をもとに作成。
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