医療モールの黒字割合71.0% マゼランメディカルが診療所の経営実態を調査
株式会社マゼランメディカルは、京都府立大学 伊藤研究室(医療経済学)と共同で実施した「医療モール内入居診療所およびソロ診療所における経営および連携実態に関する調査」の結果をもとに、市場調査レポート『国内医療モール内入居診療所/ソロ診療所 経営実態 医師向け市場調査結果(2026年度版)』を発表しました。本調査は、一般社団法人 日本医療経営学会 理事長 大道 久 先生(日本大学名誉教授/JCHO横浜中央病院 名誉院長)の賛同と支援を受けて実施されたものです。小規模分散型から集約・連携型への医療提供体制の転換が求められるなか、医療モール入居診療所と単独開業のソロ診療所の経営や連携の実態を比較・分析しています。
なお、本リリースにおける医療モールとは同一空間に3軒以上の診療所が集積しているものを指し、ソロ診療所とは医療モール外で単独開業している診療所を指します。また、医療モール内入居診療所の回答数はn=31のため参考値とされており、回答者の主診療科や経営年数に違いがあるため、比較は傾向としての位置付けとなります。


医療モール入居診療所の黒字割合は71.0%

直近1年間の経営状況について、「大幅に黒字」「やや黒字」と回答した割合は、医療モール内入居診療所が71.0%、ソロ診療所が51.9%となりました。昨年と比べて経営状況が「悪くなっている」と回答した割合は、医療モール内が25.9%、ソロ診療所が45.4%でした。
また、月間の新規患者数が300人以上の診療所の割合は、医療モール内が19.4%、ソロ診療所が8.5%となっており、医療モール内が上回る結果となっています。
期待を満足が上回った項目は「好立地」のみ

医療モール入居時に最も期待されていた項目は「駅近などの好立地・利便性」(74.2%)で、現状の満足度は77.4%と期待を3.2pt上回りました。満足度が期待を上回った項目は「好立地」のみでした。


一方で、期待と満足の乖離が大きかった項目として、「初期費用や賃料面での効率性」(▲22.6pt)、「集患効果・認知度向上」「モールの集客力・ブランド力・信頼性向上」(各▲19.4pt)、「他診療科との連携による患者紹介・集患」(▲12.9pt)が挙げられています。昨年度調査で最大の課題とされた「他科連携」の乖離は縮小(▲22.2ptから▲12.9pt)したものの、集患・ブランド面や賃料面でのギャップが目立つ形となりました。

共通システムの未導入は9割 連携の仕組みに課題


入居する医療モールに共通システムや設備が「特にない/導入されていない」と回答した診療所は90.3%で、昨年度(91.1%)からほぼ変化がありませんでした。未導入と回答した診療所(n=28)の理由では、「そもそも発想・検討したことがない」が60.7%で最も多く、「主導者がいない・誰が決めるかわからない」「必要性・メリットを感じない」(各35.7%)が続いています。
医療モール内の診療所同士の連携度(「非常によく」と「ある程度」の合計)は54.8%で、連携の内容は「患者紹介(紹介状・情報提供書あり)」(58.1%)や「患者紹介(口頭)」(54.8%)が中心でした。また、ソロ診療所で近隣クリニックとの連携が進んでいないと回答した診療所(n=99)の50.5%が、理由として「連携のきっかけ・仕組みがない(場がない)」を挙げています。
経営課題と外部支援への要望

内部の経営課題について、医療モール内では「事務スタッフの人材確保」が45.2%で最多となり、ソロ診療所(27.0%)の約1.7倍でした。ソロ診療所では「医療機器の更新・導入」(45.7%)や「コスト管理・経費削減」(44.3%)が上位となっています。外部の経営課題では、医療モール内は「情勢不安などによる備品関連・薬の確保懸念」(48.4%)や「水道・光熱費などの高騰」(45.2%)が高く、ソロ診療所では「高齢化」(46.9%)、「情勢不安などによる備品関連の仕入れ価格高騰」(44.9%)、「地域人口減少」(32.8%)が上位に挙がりました。
2026年度診療報酬改定の経営への影響については、「ほとんど影響がなかった」が最多(医療モール内51.6%、ソロ診療所41.1%)で、影響があった層ではマイナスがプラスを上回っています。
外部への要望として、医療モール内診療所が医療モール運営会社に対して求めた項目は「広報・PR活動強化」(32.3%)や「人材採用支援」(25.8%)でした。一方、ソロ診療所が外部事業支援企業に対して求めた項目は「人材採用支援」(30.2%)や「経営全般支援」(17.6%)となっています。
調査および発表元の概要
本調査の概要は以下の通りです。
- タイトル:国内医療モール内入居診療所/ソロ診療所経営実態 医師向け市場調査結果(2026年度版)
- 調査主体:株式会社マゼランメディカル、京都府立大学 伊藤研究室(医療経済学)
- 賛同・支援:一般社団法人 日本医療経営学会 理事長 大道 久 先生(日本大学名誉教授/JCHO横浜中央病院 名誉院長)
- 調査期間:2026年9月9日(水)〜9月30日(水)
- 有効回答数:医療モール内入居診療所 医師 n=31/ソロ診療所 医師 n=341
- ページ数:全38ページ
- 発行:株式会社マゼランメディカル
調査を実施した株式会社マゼランメディカル(代表取締役社長:杉本哲哉、本社:東京都品川区西五反田8-1-3 PMO五反田9F)は、医療モールにおける経営コンサルティング・戦略アドバイザリー事業を展開しています。
本記事は株式会社マゼランメディカルの発表をもとに作成されています。
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