ヘリオス、低圧蓄電所を束ねた仮想蓄電所で一次調整力の追従率100%を確認
株式会社ヘリオスは、株式会社ワンズエナジー、株式会社スマートパワーシステムの協力のもと、離れた場所にある複数の低圧蓄電所をEMSでインターネット上に束ねて1つの仮想蓄電所として制御する実証試験を2026年9月に実施しました。束ねた状態で一次調整力の事前審査の試験項目に沿った試験を行い、平常時の追従率100%(基準90%以上)を確認したとしています。周波数の急低下に対しても、インターネット経由の通信を含めて1.8秒で応動したことを発表しました。
低圧蓄電所を束ねる背景と実証の仕組み
2026年度から低圧リソースを活用した需給調整市場への参入が始まりましたが、最低入札量は1,000kW(1MW)に設定されています。1区画あたり約50kWの低圧蓄電所は単独では入札できないため、束ねて1MW以上にする必要があります。同社の低圧アグリゲーションサービスは、約25区画を束ねて1MW規模の仮想蓄電所とするもので、最大50区画程度まで拡張可能としています。


実証では、クラウド上の仮想EMSが2拠点の低圧蓄電所を1つの仮想蓄電所として扱い、出力指令を2拠点へ配分して合計出力を制御しました。一次調整力の制御においても、各拠点の周波数測定器が検出した周波数をもとに、クラウド上の仮想EMSが指令を算出・送信する構成を採用しています。

追従率100%を達成した実証結果

実証試験は神奈川愛川工場と千葉事業所の2拠点で実施され、負荷設備への放電による試験として行われました。需給調整市場での取引実績ではありません。
9月28日に模擬信号を用いた試験を実施し、平常時における周波数変動を模した30分間の信号に対して、目標出力と2拠点の合計出力を1秒ごとに比較したところ、評価点のすべてが許容範囲(±10%)に収まり、追従率100%(基準90%以上)を記録しました。また、周波数が49.8Hzまで急低下する模擬信号に対しては、要件の30秒以内を大幅に下回る1.8秒で応動したとしています。約定量99kWの試験でも、2秒で約定量の98%に到達し、5分以上出力を維持しました。



9月29日には実際の系統周波数に対する1時間の連続動作を行い、周波数の変化に応じた出力を確認したほか、放電時は充電量の多い拠点を、充電時は充電量の少ない拠点を優先する「SOCバランシング」により、2拠点のSOCの差が縮まる方向に制御されることも確認されています。同社は10月以降も条件を変えて試験を継続しています。
制御を支える技術と今後の展開
実証試験では、クラウド上で一次調整力の指令算出や配分を行う「仮想EMS」のほか、各蓄電所に設置する「周波数測定器」(0.01Hz精度・0.1秒応答)、PCSに充放電を指示する「仮想BESS制御エージェント」(JC-STAR★1取得済み)、高圧・特高向けと同じ仕様の「EMS-API」が用いられました。周波数測定器と仮想BESS制御エージェントは、株式会社スマートパワーシステムが製造する統合制御盤に収容されています。
同社は今後、需給調整市場での実取引開始に向けた準備を進める方針です。今後の計画として以下の項目を挙げています。
- 太陽光発電所に蓄電池を併設したPV併設型施設への対応(2026年12月末までに対応予定)
- 工場や商業施設などの需要家併設型施設への対応
- リアルタイム評価により通信途絶や異常のある蓄電池を切り離すなど、配分の高度化
- 制御実績データの集計や発電計画提出業務などを支援する運用・保守業務効率化の仕組み
- OpenADRへの対応(2026年12月末までに対応予定)
株式会社ヘリオス(代表取締役:藤本伸治、東京都渋谷区恵比寿1-6-3)は、特別高圧・高圧規模の太陽光発電所を中心に、全国約600箇所・約2.5GW規模の発電所監視サービスを提供しています。
本記事は株式会社ヘリオスの発表をもとに作成されています。
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