中国で不正競争訴訟に勝訴、カシオ計算機
カシオ計算機は、中国の広東省最高裁判所において、広州市特遠表業有限公司および深セン市特斯高時計有限公司との不正競争に関する裁判で勝訴した。同社の耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”「GA-110」シリーズのデザインが「一定の影響力を持つ商品の装飾」に該当すると認められ、両被告が許可なく類似デザインを使用したことが不正競争行為にあたると判断された。その結果、両被告に対し、約6,500万円(1元=21円で換算)の損害賠償金の支払いが命じられた。
この裁判は、カシオ計算機にとって、意匠権が満了した商品デザインに関して不正競争防止法による保護が認められた初のケースとなる。同社は、2010年に中国で発売した“G-SHOCK”「GA-110」が、2016年から2020年の5年間で中国において売上1位を誇る人気シリーズであることを証明するため、販売実績や広告宣伝などの証拠を提出した。これにより、「GA-110」の特徴的なデザインが市場における一般的な腕時計と区別できる顕著なデザインであり、中国の消費者に広く認知されていることが認められた。
“G-SHOCK”は、1983年に「落としても壊れない丈夫な時計を作りたい」という開発者の思いから誕生した耐衝撃ウオッチである。現在では、世界140か国以上に累計1億5千万個を出荷するグローバルブランドに成長している。カシオ計算機は、今後も特許、意匠、商標およびその他の知的財産権の不正使用や侵害に厳正に対応し、ブランド価値の維持と向上に努めていくとしている。