臨床診断研究センター、医療情報検索ラビットフォックスの実証試験版を無料公開
次世代型の医療情報検索システムを研究開発する臨床診断研究センター株式会社は、2026年10月6日、医療情報検索サービス「ラビットフォックス」の実証試験版を無料公開した。

公知の医学文献等に基づき構築されたデータベースを活用し、ユーザーが症状や所見を入力することで関連する疾患名や根拠情報を閲覧できる個人向け情報提供サービスとなっている。
公知の文献に基づく情報検索の仕組み
ラビットフォックスは、診療ガイドラインや国内の総論文献、症例報告文献などの公知の医学文献等をもとに構築されたデータベースを利用する。ユーザーが症状や所見等を入力すると、検索条件に対応する疾患・病態名と、それに紐づく根拠情報、疾患の詳細情報、文献一覧を閲覧できる仕組みとなっている。
従来のインターネット検索では情報が多すぎて必要な内容にたどり着くまでに時間を要する課題や、人工知能(AI)におけるハルシネーション(事実と異なる情報を真実のように語る現象)が課題となっていた。同システムでは、情報源を症例報告文献、症状所見の記載のある総論文献、ガイドライン、医学教科書に絞り込み、臨床像に関わる情報を疾患・病態名でインデックス化することで、目的の情報へ効率的にアクセスできる環境を整えている。
医師による文献調査と医療言語データベースの実装
同サービスでは、医師が文献を1文献ずつ調査し、各疾患で出現しうる症状や所見と、該当する文献情報をデータベース化している。このプロセスにより、症状や所見から各疾患ごとに当該症状を呈した症例情報を素早く検索できるようにした。
さらに、大規模な医療言語データベースも実装されている。一般生活者と臨床医では同一事象に対する表現が異なる場合があるため、異なる検索表現に対しても同一の検索結果を提示できる仕組みを構築し、医療職以外の一般の利用者でも快適に利用できる検索システムを目指している。
実証試験の概要と参加方法
社会実装前の総点検を目的とした実証試験は、2026年9月1日から2027年2月28日まで実施されている(状況により延長・中断する場合がある)。2026年10月8日時点の収載疾患数は812疾患で、小児・産科を除く全領域を対象とする。現行開発仕様の妥当性検証を総合目的とし、システムの稼働速度や安定性、医学的内容に関するヒアリングなどが検証される。
実証試験は個人の意思に基づき、利用規約に同意した上で公式ホームページから登録して参加できる。アクセス集中時の検証を行うため人数制限は設けられておらず、参加への謝礼はない。なお、本サービスは2027年中に有償化される予定となっている。
本サービスの位置付けと利用上の注意事項
本サービスは情報提供を目的としており、医師の診断や治療などの医学的判断を代替するものではなく、特定の個人を対象に診断や罹患可能性の評価を行うものではない。また、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく医療機器として提供されるものでもない。
検索結果として表示される疾患・病態名は、検索条件とのテキスト一致により機械的に抽出されるもので、表示順序に医学的な意味や罹患可能性の評価は含まれない。データベースは青年期から成人期の疾患を主たる対象とし、国内での報告実績が不十分な疾患は除外されているため、すべての疾患を網羅するものではない。体調不良などの症状がある場合は検索結果にかかわらず速やかに医療機関を受診する必要があり、検索結果をもとに受診を控えたり治療を変更・中断したりすることは禁じられている。
臨床診断研究センター株式会社の概要
- 本社:千葉県千葉市
- 代表取締役:加藤 開一郎
- 設立:2025年4月
- 事業目的:誤診・遅診を減らす
本記事は臨床診断研究センター株式会社の発表をもとに作成されています。
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