花の国日本協議会など、花のある暮らしが心の健康に与える影響の実証実験結果を発表
一般社団法人花の国日本協議会は、国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科の曽我昌史准教授、国立大学法人千葉大学大学院園芸学研究院の深野祐也准教授との共同で進めている、暮らしの中の生花や観葉植物が心の健康やウェルビーイングに与える影響に関する実証実験の途中経過を発表した。
植物を飾らない群と約1か月間植物を飾った群を比較した導入実験では、一部の判定基準において心理的不調に該当しにくい傾向がみられた。また、生花を4週間飾ったホームユーステストでは82.5%が「生活に小さな楽しみが増えた」と回答し、花と過ごす時間が日常の自己調整のきっかけになる可能性が示されている。
植物の導入による心の健康指標の変化
令和7年度に実施された導入実験(Study1)では、心の健康状態を測る指標「GHQ-12」を用いて、植物を置かない群(216名)と、観葉植物を置いた群(104名)、生花と観葉植物の両方を置いた群(109名)の比較が行われた。
その結果、観葉植物群では軽度から中程度の不調の基準において、生花+観葉植物群ではより重い心理的不調の基準において、不調に該当するオッズ比が植物なし群に比べて低くなる傾向がみられた(生花+観葉植物群のオッズ比は0.41)。ただし、生花+観葉植物群と観葉植物群の直接比較においては、統計的に明確な差は確認されていないとしている。
また、植物を置いた後の意識の変化として、生花+観葉植物群では「季節を感じた」「暮らしにリズムができた」「自分を大切に感じた」と回答した割合が観葉植物群より高かった。一方で、「手入れが負担だった」「枯れていく姿が悲しかった」といった回答も高く、生花を置くことによる豊かさと手間の双方が示された。
4週間の生花設置と日常の自己調整

令和8年度に実施された4週間のホームユーステスト(Study2)では、生花を飾り始めて約2週間が経過した時点で、8割以上が朝や帰宅後に花を見るようになったと回答した。「暮らしに小さな楽しみが増えた」および「普段より丁寧に生活していると感じた」がそれぞれ81.6%、「花を見ることで気持ちを切り替えられた」が60.5%となった。
約4週間後の調査では、「部屋が明るく感じられた」(91.2%)、「生活に小さな楽しみが増えた」(82.5%)、「気持ちが明るくなっ た」(79.8%)、「気持ちが落ち着いた」(73.7%)などの実感が得られた。約2週間時点で気分の切り替えや楽しみを強く感じた人ほど、約4週間後の落ち着きや心地よさなどの総合得点が高い傾向がみられた(相関係数ρ=0.76)。


さらに、参加者全体の64.0%が「また花を飾ってみたい」と回答した。日常化や自己調整に関する総合得点が高い群では80.6%にのぼり、もともと花への関心が低かったまたはなかった人(66名)でも54.5%が同様に回答した。これらの変化の感じ方に、性別や年代、世帯構成による明確な差はみられなかった。


実証実験の概要と背景
本研究は、農林水産省「令和8年度持続的生産強化対策事業のうちジャパンフラワー強化プロジェクト推進」の一環として、同協議会が事務局を務める国産花き需要拡大推進協議会の活動「well-blooming project」のもとで継続されている。花が心身にもたらす好影響を「ビタミンF(FlowerのF)」と位置づけ、科学的な検証を行うことを目的としている。
- Study1(令和7年度):政令指定都市在住の普段花を飾っていない20〜40代男女429名を対象に、2026年1月中旬〜2月中旬に実施された約1か月間の導入実験。
- Study2(令和8年度):首都圏在住の20〜30代男女114名を対象に、2026年7月下旬〜8月下旬の約4週間にわたり生花を2週間ごとに配送して追跡したホームユーステスト。
研究チームは、生花が単なる鑑賞物にとどまらず、気分の切り替えや小さな楽しみといった日常の自己調整を支えるセルフケアのきっかけになりうる身近な存在として捉えられる可能性があると考察している。


一般社団法人花の国日本協議会の概要
一般社団法人花の国日本協議会は、花き業界の有志により2010年に発足したフラワーバレンタイン推進委員会を発展させ、2014年10月に設立された団体である。
- 名称:一般社団法人 花の国日本協議会 Flowering Japan Council
- 理事長:井上 英明(株式会社パーク・コーポレーション 代表取締役)
- 事務局:東京都港区南麻布1-6-30 5F

本記事は一般社団法人花の国日本協議会の発表をもとに作成しています。
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