フィットネス市場、10%増で復調、chocoZAP急増
株式会社帝国データバンクの調査によると、2023年度のフィットネス市場は前年度比で10%以上増加し、6500億円に達する見込みだ。これは、新型コロナウイルスの影響で一時的に需要が落ち込んだ後の急回復を反映したもので、過去最高だった19年度の7085億円に迫る水準まで回復すると予想されている。
この市場拡大は、主要な大手15社の店舗数の増加によるものが大きい。2023年度末の店舗数は5900店前後に達する見込みで、これは10年前に比べて3000店以上、2.3倍の増加を意味する。特に、RIZAPが運営する「chocoZAP」など、少額・小規模ジムの出店増が全体の店舗数増加を牽引している。
一方で、コロナ禍による営業時間短縮や休業、会費免除や休退会者の増加などにより、市場規模は一時的に大きく減少した。しかし、在宅勤務の長期化に伴う健康意識の高まりや、価格帯に敏感な若年層を取り込む割安なフィットネス業態の成長が市場拡大をけん引している。
しかし、業績は二極化している。2022年度の損益が判明した約70社のうち、「増益」が41.7%を占めた一方で、「赤字」「減益」など業績が悪化した割合も計5割を占めた。赤字となった企業では、電気代や水道代の高騰、人件費の上昇などが影響している。
2024年度のフィットネス市場は、健康や美容に関心を持つ層の増加を追い風に、コロナ前並みの7000億円に到達する可能性があると予想されている。利用者層が拡大・多様化する中で、「低頻度利用」「低価格」への対応が戦略的な課題となりそうだ。