公立保育園の会計年度任用職員確保へ キャリアフィールドが2つの施策を提案
保育業界の採用支援を手掛けるキャリアフィールド株式会社は、公立保育園における会計年度任用職員の確保に向けた課題を分析し、2つの採用・育成策をまとめたレポートの続報を公表した。自治体版「保育士採用戦略2027」の続報として位置付けられており、公立園をステップアップの場とすることで人材を呼び込む仕組みを提案している。将来的な少子化を見据えた人員配置と、求職者が働く目的を両立させる狙いがある。
会計年度任用職員の確保が共通の課題に

公立保育園において、非常勤にあたる会計年度任用職員の採用難が地域をまたぐ課題となっている。こども家庭庁の資料によると、2024年の保育士従事者数は全国で約67.5万人だった。厚生労働省の同年の調査で保育所に限定すると、保育士は全国で394,217人、公営116,253人、私営277,964人となり、非常勤の割合は公営31.2%、私営25.8%を占める。また、総務省の調査では、会計年度任用職員として働く保育士等は全国で97,468人に上る(2025年4月1日時点)。

一方で採用環境は厳しさを増している。2026年7月の保育士の有効求人倍率は2.80倍と、全職種の1.15倍を大幅に上回り、前年同月の2.77倍からも上昇した。小金井市が公表した2025年5月の答申でも、同年4月1日時点で正規の保育士はおおむね採用できているものの、育休代替任期付職員や会計年度任用職員に多くの欠員が生じている状況が示されている。資格を持つ人材には民間園や他職種など多様な選択肢があり、年度ごとの任用形態が選ばれにくい現状がある。

安易な正規職員増員が難しい自治体の事情
会計年度任用職員が不足していても、自治体がその欠員をそのまま正規職員の増員で補うことは容易ではない。少子化に伴い将来的な保育需要の減少が見込まれるため、現在の不足数に合わせて正規職員を採用すると、将来的に必要な職員数との間にずれが生じるおそれがあるためである。
自治体は退職者の見込みなどを踏まえて正規職員の採用規模を調整しつつ、足元の保育体制を維持しなければならない。そのため長期雇用を約束しにくい立場にある自治体が人材を確保するには、働く期間そのものが本人の将来につながる道筋を示すことが求められる。
公立園をステップアップの場とする2つの提案
キャリアフィールドは、働く側に選ばれる理由を作るため、公立園をキャリアアップの場として位置付ける2つの具体策を提示している。
- 資格を持たない人を採用し、資格取得と実務経験を支援する
保育士資格のない人を保育補助者として採用し、資格取得を支援したうえで、取得後3年間を目安に会計年度任用職員として勤務してもらう手法である。子育て支援員や学童保育の従事者などに対象を広げ、働きながら資格と実務経験を得られる環境を整える。3年間の勤務後は、本人の希望や配置計画に応じて公立園での継続勤務や地域の民間園への就職につなげる。
- 公務員の正規職員を目指す人に対し、勤務経験を採用試験で評価する
公立園の正規職員を目指す求職者に向けて、会計年度任用職員としての勤務経験を正規採用試験の免除や加点として反映させる仕組みである。守山市の2026年度の募集案内では、保育士資格を持って保育園等で勤務する区分Cの学級担任を対象に、3年以上の勤務による正規職員採用試験の一部免除制度が導入されている。退職補充など今後の正規採用枠がある自治体において、事前の準備期間として会計年度任用職員を活用する選択肢となる。
計画的な人材育成と多角的な効果測定
この取り組みでは、少子化を見据えた人員計画と働く人の目標を整合させることが重視される。自治体は正規職員の退職見込みなどに合わせて対象人数や実施時期を設計する必要がある。
効果の検証においても、単に応募者数や採用人数を追うだけでなく、資格取得者数や取得後の公立園での勤務状況、民間園への就職や正規採用への移行状況まで多角的に確認しながら、地域の保育人材を計画的に確保していく方針が示されている。
キャリアフィールド株式会社(代表取締役:都築裕一)は東京都渋谷区渋谷3-6-6 渋谷パークビル7Fに本社を置き、保育業界の採用支援を行っている。同社ウェブサイト(https://www.career-f.com/)にて、自治体版「保育士採用戦略2027」のレポートおよび解説動画を公開している。問い合わせは電話(03-5468-8333)で受け付けている。

本記事はキャリアフィールド株式会社の発表をもとに作成。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



