ArchNexとSympletic、商業施設で空調ピークカットの実証を完了
株式会社ArchNexと株式会社Sympleticは、商業施設「リオーネ古川」および「シネマリオーネ古川」において、省エネルギー・ピークカットの実証を共同で実施し完了した。
実証ではArchNexが開発するビルOS「nexOS」を基盤とし、データ取得から遠隔監視・分析、空調制御への反映までを一貫して実施した。既存設備からのデータ取得と制御を通じて、その効果を確認している。
複合商業施設における省エネの課題
既存建物における省エネルギーや電力ピーク抑制では、既存設備からデータを取得する際に配線工事や設備更新を伴うことが多く、現状把握の段階で費用や工期が障壁となっていた。
とりわけシネマコンプレックスを含む複合商業施設では、テナントごとに運用時間や空調負荷の傾向が大きく異なり、施設全体のエネルギー使用実態を把握することが困難だったという。
無線センサーとビルOSを活用した実証体制
延床面積14,835m²の「リオーネ古川」および「シネマリオーネ古川」を対象とした本実証では、千葉彌平氏が代表取締役を務める株式会社ArchNexがビルOS「nexOS」を基盤とするデータ取得基盤の構築と遠隔監視、意味基盤整備を担当した。一方、宮田龍弥氏が代表取締役を務める株式会社Sympleticは、データ分析と空調制御戦略の立案を担当している。
センサーには無線(LoRaWAN)方式の後付け型を採用したことで大規模工事を伴わずに導入し、一部テナント内およびシネマコンプレックス内で環境・電力を測定した。

実証では室温・設定温度・消費電力の時系列データをリアルタイムに分析し、空調電力のピークを予測した。夏季の通常営業日(7月29日〜8月28日)では、映画館の主要な空調ピークの9割以上を、発生の30分前までに予測できたとしている。
また、実証を行った2日間(9月27日・28日)では、発生したピーク3回すべてを予測することに成功した。ピーク時刻を事前に把握することで、同じ時間帯に他の空調負荷が重ならないよう設定温度でピークをずらす制御が可能となり、映画館の空調において設定温度を0.5〜1℃変えるだけでピーク発生時刻を狙って動かせることを確認した。
さらに、夏季の運転データに当てはめた試算によると、空調の起動時刻を系統ごとに15〜60分前倒しするだけで、計測対象5系統の30分デマンド最大値は約2割(47.2kW→37.6kW)低下することが示された。利用者が設定温度を我慢することなく、電力の基本料金を削減できるとしている。
今後の展開
両社は本実証で得られた知見をもとに、既存建物へのnexOS導入を通じたエネルギーマネジメント領域での展開を進めていく方針だ。
本件に関するお問い合わせ
- 株式会社ArchNex(代表取締役 千葉彌平) / https://www.arch-nex.com
- 株式会社Sympletic(代表取締役 宮田 龍弥) / https://www.sympletic.co.jp
本記事は株式会社ArchNexおよび株式会社Sympleticの発表をもとに作成。
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