絵本読み聞かせAIサービス「Yondee」提供開始
TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社は、絵本をハンズフリーで読み聞かせるサービス「Yondee!®(ヨンデー)」の提供を開始する。2024年11月27日よりクラウドファンディング「CAMPFIRE」にて販売される。
本サービスは、ラインナップされている絵本を専用のウェアラブルデバイスのカメラで認識すると、絵本のページに合わせてタイムリーに読み聞かせの音声コンテンツを提供するサービスだ。2022年4月にTOPPANが、Tangent Design and Invention Ltd社の協力のもと開発し、これまでイベントにおける体験版の提供などでユーザビリティの実証を行ってきた。今回、新たに絵本や雑誌など紙メディアの画像読み取りに有効な画像認識AIシステムを開発し、本サービスに実装することで、絵本の認識精度が向上した。複数の画像を元に、あらゆる角度から見た紙面の状態をAIにより自動生成し教師データとして学習しているため、子どもの読書シーンにおける様々な体勢下でも、絵本の画像を認識しコンテンツの起動が可能となっている。
TOPPANは、本サービスを活用して読み書き困難な子どもなど多様なユーザーに対して、絵本の読み聞かせがどのような効果を持つかを東京大学 先端科学技術研究センターとの共同研究も推進している。
「Yondee!®」の提供を通じて、子どもへ新たな読書体験を提供し、誰もが絵本を楽しむことをサポートしていく。
スマートデバイスを中心にデジタルメディアが急速に拡大する中で、アナログメディアはその良さを残しながら、デジタル技術との掛け合わせにより新たな体験価値の提供が期待されている。TOPPANは、アナログメディアの特性を活かしながらデジタルコンテンツを連携した拡張体験を可能とする本システムを開発した。
昨今、オンラインによるコミュニケーションが主流となり、子供たちのデジタルデバイスに接する時間が増加している。また、読書バリアフリー法の制定により障がいの有無に関わらず、より開かれた読書環境が求められている。これらの課題に対して、本システムを実装した「Yondee!®」を通じて紙面とデジタルを連携させることで新たな読書体験を提供し、五感に豊かな生活や健康な心の成長に寄与していく。
TOPPANは、今回のクラウドファンディングによる提供開始を通じて読み聞かせ拡張サービス「Yondee! ®」のさらなる検証やニーズ把握などを行い、2025年秋頃からの一般販売を目指す。また、今後は、様々なコンテンツホルダーと連携し、今回開発したAI画像認識システムを活用した紙メディアとデジタルコンテンツの融合による新たなサービスの開発を推進していく。