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京都フュージョニアリングと大同特殊鋼、フュージョン炉向けバナジウム合金の共同開発開始

京都フュージョニアリング株式会社(KF)と大同特殊鋼株式会社は、フュージョン(核融合)炉のブランケット構造材として有望視される低放射化バナジウム合金について、フュージョン用途向け高純度材料の製造技術確立に向けた共同開発を開始しました。両社はすでに累計200kgの高純度低放射化バナジウム合金の溶解および鍛造材丸棒と板形状加工材の製造に成功しており、加工材製造までの一貫プロセスの確立に向けた検証を進めています。今後は将来の実用化を見据え、ブランケットモックアップの製作を進める計画です。

次世代ブランケット構造材としての期待と課題

フュージョンエネルギーの実現において、中性子を受け止めて熱回収や燃料となるトリチウム生成を担うブランケットの開発は重要な技術課題の一つです。低放射化フェライト鋼(RAFM)などの研究開発が進められる中、低放射化バナジウム合金は約700℃の高温環境での強度耐性や、液体リチウムやFLiBe(フッ化リチウムとフッ化ベリリウムの溶融塩)などの冷却材・トリチウム増殖材との適合性から、次世代ブランケット構造材として世界的に期待されています。

一方で、極低不純物レベルの高純度バナジウム合金の溶解や鍛造には高度な製造技術が必要とされ、実用規模での製造事例は限られていました。KFは、本分野の研究開発を牽引する核融合科学研究所(NIFS)の長坂琢也教授の研究グループとの共同研究を通じて知見を蓄積してきました。今回、高度な金属材料製造技術を持つ大同特殊鋼と協力することで、実用規模での製造に向けた進展を図ります。

共同開発の進捗とブランケットモックアップ製作

本共同開発では、大同特殊鋼の技術力とKFのプラント設計および材料仕様策定の知見を組み合わせ、低放射化バナジウム合金構造材の実用規模での製造プロセス確立を目指しています。

具体的には、板材や丸棒などの加工材製造までの一貫プロセスの検証を行っています。2026年8月現在、初期加工材(丸棒7.3kg, 加工材2.6kg)が完成しており、今後KFへ計約70kgが納品される予定です。KFはこれらの材料を加工・接合し、来年を目途にブランケットモックアップの製作を開始するとしています。

KFは、今回の共同開発で得られた構造材によるブランケットモックアップの製作を通じて、ブランケット開発とその商業化を推進する方針です。フュージョン炉の構造材には、KFが独自に開発を進めるSiCf/SiC複合材料などのアプローチも存在しており、今回の成果によってブランケット開発に向けた技術的選択肢が拡大したとしています。

大同特殊鋼の技術開発研究所長である植田茂紀氏は、2026中期経営計画で2050年カーボンニュートラルの達成を掲げる中、本開発を通じてフュージョンエネルギーの実現に貢献していく姿勢を示しています。また、KFの代表取締役社長 COOである世古圭氏は、大同特殊鋼の材料製造技術と自社の知見を組み合わせることでブランケット開発を前進させることができたとし、今後もサプライチェーン構築を推進していくと述べています。

大同特殊鋼株式会社の概要

  • 創業者・設立:1916年創業
  • 代表者:社長 清水哲也
  • 本社所在地:名古屋市東区
  • 事業内容:特殊鋼を中心とした高機能素材の提供
  • コーポレートサイト:https://www.daido.co.jp/

本記事は京都フュージョニアリング株式会社の発表をもとに作成されています。

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