久米設計が設計した川崎市役所本庁舎が令和7年度都市景観大賞の理事長賞を受賞
株式会社久米設計が設計を担当した「川崎市役所本庁舎」が、令和7年度都市景観大賞 公益財団法人都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞を受賞した。
同庁舎は2023年6月に竣工した施設で、街路との境界をなくした開かれた公共空間への転換や歴史を継承する象徴的な場づくり、質の高いランドスケープデザインなどが評価された。
歩行者専用道路化による一体的な広場空間の創出
計画地は、JR川崎駅からの「緑の軸」と京急川崎駅から続く商店街の「にぎわいの軸」が交差する結節点に位置している。設計にあたっては、旧本庁舎と第2庁舎に挟まれて地区を分断していた道路を歩行者専用道路化し、敷地全体を一体的な広場空間として再構築した。
第2庁舎跡地を「市役所広場」、旧本庁舎を復元した建物の正面を「復元棟前広場」として整備し、密集市街地の中に緑豊かなオープンスペースを確保することで、都市景観にゆとりを生み出している。
歴史継承と防災・日常のにぎわいを両立する空間構成
施設は、歴史を継承する「復元棟」、防災の拠点となる「高層棟」、その間をつなぐ開放的な「アトリウム」で構成されている。アトリウムに面してカフェやコンビニ、展示施設、会議室などを配置し日常的なにぎわいを生み出すとともに、発災時には速やかに災害対策スペースへと転換できる設計とした。
また、多摩川の浸水被害を受けない中間階免震構造や、地震時に天井材落下の恐れがない無天井執務空間を採用し、あらゆる都市災害を想定している。夜間には復元棟のライトアップや演出照明を実施し、夜の景観形成も図られている。
自然換気システムなどの採用でZEB Readyを達成
環境面では、コの字形状のプレキャストコンクリート板の外壁内側を換気ボイドとして利用した「エコマルチウォール」による自然換気システムを導入した。さらに、窓周りの彫りを深くすることで日射抑制を徹底し、ZEB Ready(BEI=0.47)を実現している。
川崎市役所本庁舎の建築概要


- 名称:川崎市役所本庁舎
- 所在地:神奈川県川崎市川崎区宮本町1
- 建築主:川崎市
- 設計者:株式会社久米設計
- 施工者(高層棟 建築):大成建設株式会社 横浜支店
- 施工者(復元棟 建築):株式会社小川組
- 延床面積:62,356㎡
- 階数:地上25階地下2階
- 構造:S/一部RC/SRC
- 竣工:2023年6月
本記事は株式会社久米設計の発表をもとに作成。
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