ポーラ化成工業、真皮の柔軟性に関わる因子RSPO3を発見 シワ改善への応用に期待
ポーラ・オルビスグループで研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:鶴岡宏樹)は、シワ形成に関わる真皮の「網状層」とその線維芽細胞に着目し、因子RSPO3(R-Spondin3)が柔軟性に富んだ真皮づくりに関わることを見出しました。網状層の線維芽細胞では生まれながらにRSPO3の発現が低下していることが分かっており、この因子の発現低下が柔軟な真皮を構成する各種タンパク質の発現減少につながることを確認しました。本成果は、シワ部位を表情圧(※1)に強いしなやかな真皮に導く新たなアプローチにつながる可能性があるとしています。
シワの形成には、長年の紫外線に加え、表情の動きに伴う圧縮力(表情圧®)が皮膚に繰り返しかかることで炎症性因子の産生が高まり、真皮構成成分が分解されることが一因と考えられています。真皮は表皮の下の乳頭層とその下の網状層の2層に分かれており、シワが深いほど網状層が薄くなっていることが知られています。
乳頭層と比べて網状層のコラーゲン線維束は太く硬いため、表情圧の力を分散させづらく、細胞に圧縮刺激がかかって炎症反応が生じ、真皮の分解につながると同社は考察しました。そのため、シワ部位には網状層を単に修復するだけでなく、柔軟性に富んだ真皮に修復することが重要であると考えられています。

生まれつき発現量が少ないRSPO3とその働き
同社の研究員が英国の研究機関で行った研究では、ヒトの皮膚において胎児後期の段階から乳頭層と網状層の線維芽細胞の特徴が異なることが明らかになっています。この研究成果は、皮膚科学分野の学術誌『Journal of Investigative Dermatology』に掲載されました(論文:N Morioka, et al. Fetal Fibroblast Heterogeneity Defines Dermal Architecture during Human Embryonic Skin Development. J Invest Dermatol, 2025;145(5):1081-1091.)。

胎児期皮膚の公開データを追加解析した結果、タンパク質産生の制御に関わるRSPO3遺伝子の発現量が、網状層では乳頭層の約半分にとどまることが判明しました。真皮線維芽細胞でRSPO3遺伝子の発現を人工的に抑制した実験では、主要成分であるⅠ型コラーゲンに加え、コラーゲン線維束の柔軟性や太さの制御に関わるⅢ型・V型コラーゲンやデコリン、皮膚の伸縮性に関わる弾性線維を構成するフィブリリン、細胞と真皮成分のネットワーク形成を支えるフィブロネクチンの各産生遺伝子の発現量が減少しました。
植物混合エキスによるRSPO3発現と真皮成分の促進


検証の結果、マロニエ(セイヨウトチノキ)とマツリカ(ジャスミンの一種)の混合エキスに、真皮線維芽細胞のRSPO3遺伝子の発現を促進する作用があることが見出されました。この混合エキスは、Ⅰ型コラーゲンやⅢ型コラーゲンなど、真皮の形成や柔軟性に関わるタンパク質の産生を高めることも確認されています。
同社は、シワ部位におけるRSPO3の発現を促進させることが、表情圧に強いしなやかな真皮への修復につながる可能性を示したとしています。
- ※1 表情圧は、(株)ポーラの登録商標です。

本記事はポーラ化成工業株式会社の発表をもとに作成されています。

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