Miosync、創作物向け翻訳環境Divergence-Zを開発 実証パートナーを募集
株式会社Miosyncは、小説や脚本などの創作物を対象とした翻訳環境「Divergence-Z」を開発した。あわせて、同ツールの実証に協力する小説投稿プラットフォームや作家、出版関係者といったパートナーの募集を開始した。
原作から登場人物の設定や思考を自動生成
Divergence-Zは、原作を読み込んで登場人物ごとの「声の設計図」を自動作成する仕組みを備えている。一人称や語尾などの特徴に加え、感情が高ぶった際の言葉の崩れ方や出来事の受け止め方までを原作の台詞を根拠に記述し、別の言語で再現するための方針を人物ごとに保持する。
登場人物の経験は章ごとに分けて保持され、反復される行動パターンなどの思考の型も原作の記述から抽出される。また、人物表、ペルソナ、エピソードという三層の資料構成で管理され、翻訳の過程で下した判断は理由とともに訳語表に記録される。記録された内容は手動で修正でき、以降の章の翻訳へ反映される。

さらに、訳文を保持したまま市場に応じた調整版を生成するローカライズ機能も搭載されている。「読者配慮(訳注のみ)」「市場適応(等価置換)」「PG15(性・暴力表現の緩和)」「ハラール配慮」などのプリセットが用意され、市場との摩擦が生じうる箇所を報告する「診断」モードも選択できる。
韓国近代文学『翼』を用いた翻訳の検証
パブリックドメインの韓国語近代文学作品である李箱『翼』(1936年発表、全10章相当・約2万3千字)を対象に日本語への翻訳検証が実施された。自社による測定値として、以下の結果が示されている。
文体の一貫性については、全10章・約200文で崩れがなく、同一語の訳語においても52回出現する主要語でブレがない統一が確認された。また、性別を持たない韓国語の三人称を章ごとに訳し分けるなど、文脈依存の処理も行われたとしている。

設計方針と実証パートナーの募集

Divergence-Zは、利用者のAPIキーで動作するBYOK(Bring Your Own Key)形式を採用しており、原稿や翻訳データは利用者の端末内に保存され外部サーバーには送信されない。デスクトップアプリとコマンドラインの両方が提供され、MIT ライセンスで公開される。
想定する用途として、個人作家による自作の他言語公開、投稿プラットフォームでの海外作品の受け入れ、商業案件における下訳などが挙げられている。
実証パートナーとして募集されている対象は以下の通りである。

- 小説・漫画投稿プラットフォームの運営者
- 自作の多言語展開を検討している作家
- 創作物の翻訳に携わる方
実証にあたっては、導入支援やプリセットの調整などをMiosync側で対応するとしている。
株式会社Miosyncの概要
- 会社名:株式会社Miosync
- 所在地:〒101-0024 東京都千代田区神田和泉町1-6-16 ヤマトビル405
- 法人番号:8010001249966
- URL:https://www.miosync.link/
- デモ:https://github.com/miosync-masa/divergence-z
- お問い合わせ:info@miosync.email
本記事は株式会社Miosyncの発表をもとに作成されています。
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