出光興産とサントリー、ペットボトル再資源化で連携
出光興産株式会社とサントリーホールディングス株式会社は、使用済みPETボトルのキャップやラベルの再資源化に向けた取り組みを開始した。その一環として、サントリーが提供した使用済みPETボトルのキャップを原料に、出光興産の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパン株式会社が油化ケミカルリサイクル技術を用いてCR油(ケミカルリサイクル油)を生産する実証実験を実施した。油化ケミカルリサイクル技術とは、使用済みプラスチックやプラスチック端材を油化して、生産した生成油を原料にした再資源化の手法だ。
出光興産は、このCR油が石油化学製品や燃料油の原料として有用であることを確認した。今後、同社は石油精製・石油化学装置を活用し、使用済みPETボトルのキャップやラベル由来のCR油を原料とした「リニューアブル化学品」や「リニューアブル燃料油」の生産を検討していく。
一方、サントリーは「リニューアブル化学品」から製造されるプラスチック容器の実用性を確認していくとともに、キャップやラベルへの水平リサイクルも含めた、容器・包装全般の最適な再資源化の形と可能性を探索していく。両社は再資源化工程のサプライチェーンの構築にも取り組んでいく。
出光興産は、2023年4月に「ケミカルリサイクル・ジャパン」を設立し、回収した使用済みプラスチックを油化してCR油を生産し、原油に替わる原料の生産を目指している。同社は、燃料油や化学品の製造で培った知見を活かし、プラスチックを原料である石油に戻すという革新的なリサイクル技術で社会的ニーズに応えていく方針だ。
両社は、PETボトルのキャップやラベルの容器・包装リサイクルに向けた検討をさらに進めることで、カーボンニュートラルおよび循環型社会の実現に向けて取り組んでいく。