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中国電力など4者、廃シリコンとCO2からギ酸水素キャリアを製造する研究を開始

高松帝酸株式会社、国立大学法人横浜国立大学、株式会社こっこー、中国電力株式会社の4者は、令和8年度「広島県カーボンリサイクル関連技術研究開発支援事業」において共同提案が採択され、研究開発を開始しました。使用済み太陽光パネルから回収された廃シリコンと二酸化炭素(CO₂)を活用し、水素キャリアとなるギ酸の製造から水素を取り出す技術の検証に取り組みます。廃シリコンとCO₂によるギ酸の製造から水素取り出しまでの一連のプロセスとしての研究は、国内で初めての取り組みです(本共同研究メンバーである横浜国立大学調べ、2026年9月時点)。

背景と研究開発の目的

近年、再生可能エネルギーである太陽光発電の導入拡大に伴って太陽光パネルの設置が進む一方、将来的には耐用年数を迎えたパネルの大量廃棄が予測されており、適切な処理と資源循環の確立が社会的課題となっています。また、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて水素エネルギーの大規模利用が期待されるなか、水素の貯蔵・輸送・利用を安全かつ効率的に行うための水素キャリア技術の開発が求められています。

4者は、使用済み太陽光パネルから回収された廃シリコンの性質に着目しました。発電所等の排ガスに含まれるCO₂を廃シリコンとの化学反応によりギ酸へ変換する技術、およびギ酸から水素を取り出す技術の研究開発を、2026年度下期から2027年度末にかけて推進します。本事業は、広島県が推進する「カーボンリサイクルサンドボックス(CR-SANDBOX)事業」のうち、「SU(スタートアップ)等県内実証支援型」の区分で採択されたものです。

水素キャリアとしてのギ酸の利点

化学式HCOOHで表されるギ酸は最も単純な構造をもつカルボン酸で、世界で年間100万トン以上が生産されています。防腐剤や抗菌剤としての用途のほか、常温常圧で液体であるため輸送が容易であり、水素を取り出す際に要するエネルギー量が低いことなどから、次世代の水素キャリアとして実用化が期待されています。

今回の研究開発では、廃シリコンとCO₂の化学反応により、化石燃料を原料としない「グリーンギ酸」を製造することを目指しており、水素キャリアの新たな可能性を切り開くものとして社会実装に向けた取り組みが進められます。

研究開発における各者の役割

本共同研究における各者の役割分担は以下の通りです。

  • 高松帝酸株式会社:ギ酸水溶液からの水素発生反応の評価
  • 国立大学法人横浜国立大学(担当:本倉健教授):廃棄シリコン還元剤と二酸化炭素からのギ酸水溶液製造
  • 株式会社こっこー:廃棄太陽光パネルからの回収シリコン提供、重油ボイラー排気ガス(排出CO₂)の回収検討
  • 中国電力株式会社:発電所からの実排ガス組成情報およびサンプル提供

本記事は高松帝酸株式会社、国立大学法人横浜国立大学、株式会社こっこー、中国電力株式会社の発表をもとに作成。

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