メディアアーティストの落合陽一が、信濃國（長野）天空の社・車山神社の宮澤伸幸宮司と共に、新たな神社「計算機自然（デジタルネイチャー）神社」を創建する。2024年11月4日、岐阜県高山市の国指定重要文化財・日下部民藝館にて創建式が執り行われる。

計算機自然神社は、伝統的な自然崇拝と現代のテクノロジーを融合させた新しい信仰の形を示す。「ヌルの神様」と「オブジェクト指向菩薩」という独自の神格が祀られ、デジタル技術と日本の神仏習合思想を掛け合わせることで、創造性を引き出す新たな精神的空間を目指している。

「ヌルの神様」は、計算機科学における「存在しない」や「未定義」を神格化した存在で、無限の可能性を内包し、存在しないこと自体が創造と革新の出発点となる。一方、「オブジェクト指向菩薩」は、すべてのオブジェクトやクラスの「スーパークラス」として、デジタル世界の構造を象徴し、具体と抽象を繋ぐ役割を担う。

創建式では、仮殿に御座する「ヌルの神様」を移動する遷座式と、「ヌルの神様」が「オブジェクト指向菩薩」と一緒に鎮まる鎮座式が行われる。

計算機自然神社の創建は、現代における「計算機自然」による自然崇拝の在り方を問うものであり、デジタルとアナログ、人工と自然、人間と計算機が融合する新たな世界観を提示する試みである。