中小企業の生成AI利用は約7割も日常活用は2割でルール整備は1割にとどまる
エフアンドエムクラブ会員企業を対象としたアンケート調査により、中小企業における生成AIの利用実態が明らかになりました。現在業務で生成AIを利用している企業は約7割に達している一方、ほぼ毎日利用している企業は約2割にとどまっています。また、社内ルールを整備している企業は約1割にとどまり、利用の広がりに管理体制が追いついていない実態が浮き彫りとなりました。
業務利用は約7割も日常的な活用は約2割
調査によると、生成AIを現在業務で利用している企業は約7割に上りました。ただし、ほぼ毎日利用する企業は約2割にとどまり、「月に数回、必要な時だけ」のスポット利用が最も多い結果となっています。


利用の中心は無料の汎用テキスト生成AIで、用途としてはメール・報告書の作成が6割超、経営判断の参考や壁打ちが5割弱を占めました。自由記述では社内の一部の人だけが使っているとする回答が目立ち、会社全体として使いこなしている企業は限られる状況がうかがえます。



活用頻度で異なる効果と課題

利用頻度によって実感する効果や直面する課題には大きな差が見られます。ほぼ毎日利用する企業では約9割が「業務の質の向上」を、6割台半ばが「労働時間の削減」を挙げ、有料ライセンスの利用率も約7割に達しています。これに対し、月に数回利用する企業では業務の質の向上が5割台半ば、労働時間の削減が4社に1社で、有料ライセンスの利用は約2割でした。
一方で、ほぼ毎日利用する企業では情報漏えい・著作権のリスクや出力内容の確認・修正の手間を課題に挙げる割合が高くなっています。利用頻度が低い企業では「どの業務に組み込めばよいか」が上位となり、使い込むほど誤った回答の見極めや情報の取り扱いといった課題に向き合う傾向が見られます。
導入の壁は費用やリスクより使い道
利用を停止した企業および一度も利用したことがない企業の双方において、最大の理由は「どの業務に使えばよいか、具体的なイメージが湧かない」ことでした。利用中の企業でも「運用の型がわからない」が課題の2番目に挙がっています。
情報漏えいなどのリスクは利用中の企業で最多の課題である一方、未導入の理由として挙げた企業はわずかでした。また、未導入企業の約3割は「必要性を感じない・関心がない」と回答し、50人以下の企業でその割合が高くなっています。一方、51人以上の未導入企業では推進できる人材の不足が上位に挙がりました。
社内ルールの整備は約1割にとどまる
社内ルールを整備している企業は全体の約1割にとどまりました。ほぼ毎日利用する企業に限ってもルールがあるのは約4社に1社で、6割近くは個人の判断に任せているか利用実態を把握していません。
業種別では、利用している企業が8割を超える医療・福祉において、ルールを整備している企業は5%に満たない結果となりました。自由記述では、個人情報の入力を避ける運用をしていても社員全員が守っているか分からないという不安や、従業員が個人で課金したアカウントを業務に使っている実態も挙がっています。
【調査概要】
- 調査対象:エフアンドエムクラブ会員企業
- 調査期間:2026年7月1日から7月31日まで
- 有効回答数:2,503社
- 調査レポートURL:https://www.fmltd.co.jp/info_cat/chushou
本記事はエフアンドエムクラブ会員企業を対象に実施されたアンケート調査の発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



