日立、JPX総研の売買審査システムの基盤刷新 処理時間を従来の約1/4に短縮
株式会社日立製作所は、株式会社JPX総研が開発・運用する売買審査システムのデータ基盤を刷新し、処理の高速化をはかって9月28日から本番稼働を開始しました。
同システムは公正な株式市場を維持するための注文・約定データの審査を担っており、データ基盤に大量データの検索・分析向けの超高速データベース「Hitachi Advanced Database」(HADB)を適用しました。本番データを用いたPoCにおいて、従来データ基盤と比較してデータ処理時間を従来の約1/4に短縮したとしています。
株式会社JPX総研が運営する売買審査システムは、日本取引所自主規制法人の売買審査業務で運用され、株式取引の公正性を審査するシステムです。売買における相場操縦やインサイダー取引などの不公正取引の兆候を捉えるため、日々発生する大量の注文・約定データを審査しています。
近年、NISA(Nippon Individual Savings Account:少額投資非課税制度)の普及などを背景に個人投資家の市場参加が拡大し、株式取引における注文・約定データの増大や取引手法の複雑化が進んでいます。市場の取引量増大の影響で処理が長時間化する傾向があったことから、増大する取引データから不公正取引の兆候を迅速かつ的確に把握するための分析処理の高速化と、将来の取引の変化にも対応できる柔軟性を備えた新たなデータ基盤への刷新が求められていました。
HADB適用による高速化と取り組みのポイント
データ処理時間の短縮にあたっては、内閣府の最先端研究開発支援プログラム「超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価」(中心研究者:喜連川 情報・システム研究機構機構長/東大特別教授)の成果を利用した超高速データベース「Hitachi Advanced Database」(HADB)が適用されました。
刷新における主なポイントは次の通りです。
- HADBの高速処理による処理時間短縮:サーバーやストレージの性能を効率的に引き出す独自の非順序型実行原理(喜連川 情報・システム研究機構 機構長/東大特別教授、合田 東大教授が考案した原理)により、大量データの超高速な検索と集計処理を実現しました。従来環境のSQL(Structured Query Language:データベースに対してデータの検索、抽出、更新などを行うための言語)や業務ロジックを検証して処理結果の同一性を保ちながら、PoCの段階でSQLを最適化し、処理時間を従来比で約1/4に短縮しました。注文が集中するピーク時にも所定時間内に処理を完了できる性能を実証しています。
- 日立による一体となった刷新推進:従来から売買審査システムのアプリケーション開発・運用で培った知見を生かし、SE、HADBの製品部門、ハードウェア部門が連携してPoCから本番環境構築、従来製品からの移行、性能検証までを支援しました。PoCに先立つ既存環境からの移行性検証や最適なハードウェア構成の検討による検証環境の整備のほか、製品の長期サポート対応による運用コスト最適化、将来の取引量増大への対応やクラウド移行といったモダナイゼーションも見据えた刷新を推進しました。
今後のHADBの進化と展開
株式会社日立製作所は、「モダナイゼーション powered by Lumada」(2025.10.21提供開始)などを通じて企業の変革に伴走しています。今後もHADBなどのデータ処理技術や金融分野のSIで培った知見を生かし、株式会社JPX総研の売買審査業務および金融市場取引を支えるシステム群の高度化を支援するとしています。
また、AIの進展に伴うデータ処理の高度化を見据え、AIで社会インフラを革新する次世代ソリューション群「HMAX by Hitachi」において、現場の暗黙知やデータを統合する「HMAX Data Fabric」(2026年9月から提供、2026.9.3発表)を支える高速でAI Readyなデータ活用エンジンとして、HADBを進化させていく方針です。
関連リンクおよび問い合わせ先
今回の取り組みに関する事例記事や関連ウェブサイト、問い合わせ窓口は以下の通りです。
- 事例記事(Hitachi Digital Highlights)
前編:https://www.hitachi.com/ja-jp/products/digital/highlights/usecases/others/dh260007/ 後編:https://www.hitachi.com/ja-jp/products/digital/highlights/usecases/others/dh260008/
- 日立のモダナイゼーション:https://www.hitachi.co.jp/products/it/CloudDX/modernization/?=ni261001
- 超高速データベースエンジン Hitachi Advanced Database:https://www.hitachi.co.jp/data-binder/?=ni261001
- 日立の金融ソリューション:https://www.hitachi.co.jp/products/it/finance/index.html
- お問い合わせ先:株式会社日立製作所 AI&ソフトウェアサービスビジネスユニット マネージド&プラットフォームサービス事業部(お問い合わせフォーム:https://www.hitachi.co.jp/it-pf/inq/NR/)
本記事は株式会社日立製作所の発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



