JR西日本、生成AI画像解析mitococa SUUを2027年初旬にリリースへ
JR西日本グループは、生成AIを活用した新たな画像解析ソリューションの名称を「mitococa SUU(ミトコカ スー)」とし、2027年初旬の製品版リリースを目指すと発表した。同ソリューションは、鉄道事業で培った現場の知見を活かし、大規模視覚言語モデル(VLM)による画像解析を現場の判断や対応につなげるシステムである。2025年8月の開発着手発表以降に進めてきた社内外での実証実験の成果と活用領域についてもあわせて公表された。
生成AIによる画像解析ソリューション「mitococa SUU」の特徴
「mitococa SUU」は、画像認識技術を中核とする「mitococa(ミトコカ)」シリーズの新たなラインアップである。名称は「See(自然と目に入ったモノを)」「Understand(人のように理解し)」「Unlimited(限りない可能性へ)」の頭文字に由来する。
現場でそのまま活用できる形を目指し、以下の特長を備えている。
- 必要な瞬間の画像だけを解析:一定の時間間隔、画像認識AI「mitococa」による検知、センサー(光電・温度等)の反応をきっかけとして、必要な場面だけを切り出して生成AIで解析する。映像をすべて解析する場合と比較してコストと誤検知を抑えた高精度な解析を実現する。
- 現場のアクションへの連携:解析結果をパトランプ・メール・制御設備などへ連携させ、現場の対応に直結させる。専門知識がなくても操作できるアプリケーションにより現場での運用を支援する。
2025年8月以降の実証を経て、映像から状況を読み取って現場の判断や改善につなげる領域として、「安全性向上」「品質向上」「生産性向上」「マーケティング」の四つの分野が見出されている。
鉄道沿線の工事確認やホテルでの食品ロス削減に向けた実証

グループ内では具体的な業務への適用実証が進められている。
営業線沿線における近接工事の検知実証では、社員が列車に添乗して目視で行っている確認業務の自動化を検証した。列車前方の映像を取得する「レールモニター」(https://media.jrw-ip.jp/solution-product/products/5500/ )を用い、「クレーン」「足場」といった言葉で指定して工事らしき箇所を自動抽出し、空間データ基盤「デジタルレールマップ」(https://media.jrw-ip.jp/solution-product/products/6399/ )上に表示する。ある線区の映像を用いた検証では、目視で確認できる近接工事11箇所をすべて検知した。
また、THE OSAKA STATION HOTEL, Autograph Collectionにおいては、ホテルビュッフェにおける食材廃棄量の自動データ化を実施した。ビュッフェから引き上げた料理を撮影することで料理名と残量を推定し自動データ化するもので、計測対象79品目のうち約80%を目視と同等の精度で判定した。

建設業や製造業など社外の異業種でも実証を推進
社外の異業種との実証も展開されている。建設業の株式会社大林組とは建設現場での安全確認等について実証を進めているほか、製造業の企業とは作業や設備の状態を映像から確認し、巡視・見回りの負担を軽減する取り組みについて実証を行っている。

JR西日本グループは、2026年4月に公表した「JR西日本グループ中期経営計画2030」の重点分野である「インフラソリューション」の一環として、技術的な精度や運用のしやすさに磨きをかけ、2027年初旬の製品版リリースを目指すとしている。
本記事はJR西日本グループの発表をもとに作成されました。

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