水産研究・教育機構など カイトトロール漁法の現場普及へ共同研究を開始
国立研究開発法人水産研究・教育機構、宮崎県水産試験場、鹿児島県水産技術開発センター、ニチモウ株式会社の4者は、小型機船底びき網漁業の手繰第二種漁業(ビームトロール漁法)におけるカイトトロール漁法の現場普及を目指し、共同研究を開始しました。従来のビームに代わるカイト式漁具を用いた試験操業を行い、課題の把握や導入効果の整理を進めます。

共同研究の背景とカイト式漁具の優位性
カイトは柔構造の拡網装置であり、一定の長さと重量を持つ剛構造のビームと比較して、省力化や安全性向上の面で優位性が確認されています(平成23~24 年度農林水産技術会議の新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業「小型底びき網漁業における省力・省エネ化技術の開発と普及」)。
調査船調査の採集用漁具としては既に実用化されているものの、実証データの不足により、漁業制度上の位置付けや技術的課題、導入効果が十分に整理されておらず、漁業現場への普及には至っていませんでした。また、近年はビーム自体の供給不安も指摘されており、当該漁業の持続的な経営を支える技術として必要性が高まっています。
比較曳網試験による課題把握と効果整理
今回の共同研究は、カイト式漁具の社会実装に向けた現場実証の第1段階と位置付けられています。宮崎県および鹿児島県で操業を行う底びき網漁船を用い、簡易的な比較曳網試験を実施します。
従来のビームトロール漁法とカイトトロール漁法による曳網試験データを収集し、漁業制度面や技術面の課題を把握したうえで、改善策や期待される導入効果を整理します。
今後の展望としらす船びき網漁業への展開
4者は今後の本格的な実証調査を通じて漁業制度上の位置付けを明確化し、社会実装の実現を目指す方針です。
さらに、当該漁具のさらなる普及拡大を見据え、しらすを対象とする船びき網漁業への展開として、現状の2そうびき漁法からカイト式漁具を活用した1そうびき漁法への転換についても検討を進めるとしています。
本記事は国立研究開発法人水産研究・教育機構、宮崎県水産試験場、鹿児島県水産技術開発センター、ニチモウ株式会社の発表をもとに作成しました。
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