京都民医連中央病院の医療DX事業が厚労省の支援事業に採択内示
公益社団法人京都保健会が運営する京都民医連中央病院は、厚生労働省が実施する「医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業」において、医療DXに関する取り組みが採択内示されたことを発表しました。
本事業では、ウェアラブル型の測定機器などを活用し、血圧や脈拍といった患者の状態把握に必要な情報の取得、記録、共有をデジタル化します。測定データを電子カルテなどの診療情報と連携させることで、医療従事者の転記・確認作業の負担を軽減し、患者の状態変化をより迅速かつ確実に把握できる環境の整備を進めます。
医療現場では、血圧、脈拍、呼吸、体温、意識状態などの情報を組み合わせて患者の状態を判断しています。
京都民医連中央病院では、医療従事者が入力する情報を組み合わせて状態悪化の兆候を早期に把握する指標「早期警戒スコア(NEWS)」などを活用する仕組みを構築しています。今回の取り組みでは、ウェアラブル機器などから取得する情報も含め、より早期に状態悪化の兆候を把握することを目指します。データの取得から記録、評価、通知、対応記録、振り返りまでを一連の業務として整備し、確認の遅れや見落としを防ぎます。
京都保健会では、今回の取り組みを医療DXの先行的な実装と位置付け、中長期的に整備を進めるコマンドセンターとの段階的な連携も視野に入れています。コマンドセンターは、患者の状態や病床利用状況など院内に分散する情報を集約・可視化し、組織横断的な状況把握と意思決定を支援する仕組みです。
さらに、蓄積データの分析にはAIを活用し、状態変化の兆候や優先して確認すべき情報の抽出を進めます。なお、AIは専門職の判断を支援する役割にとどまり、最終的な確認と診療上の判断は医療従事者が行います。
安全性を重視した段階的な導入と事業の目標
新技術の導入にあたっては患者安全を最優先とし、情報セキュリティやデータの正確性、職員教育、障害発生時の手順を含む運用体制を整備します。導入後もデータの精度や現場業務への影響を継続的に検証し、安全性と有効性を確認しながら段階的に対象を拡大します。
本事業では、主に以下の項目の実現を目指しています。
- 患者さんの状態変化を早期に把握し、迅速な対応につなげること
- 測定値の転記や重複入力を減らし、記録の正確性を高めること
- 確認の遅れや重要な情報の見落としを防止すること
- 医師、看護師をはじめとする多職種間の情報共有を円滑にすること
- 職員の業務負担を軽減し、患者さんへの観察、説明、ケアに充てる時間を増やすこと
- データを継続的に活用し、医療の質と業務プロセスの改善につなげること
京都保健会の松原爲人理事長は、今回の採択について、患者安全と医療の質向上を前進させる一歩であるとし、デジタル技術と現場の知見を結び付けて医療従事者が患者に向き合える環境を整えていく旨を述べています。
公益社団法人京都保健会の概要
京都府京都市右京区に拠点を置く公益社団法人京都保健会は、1956年3月20日に設立されました。府内広域に3病院11診療所(歯科併設2)のほか、訪問看護ステーションやヘルパーステーションなどの介護施設、看護専門学校を含め38事業所を開設・運営しています。
- 法人名: 公益社団法人京都保健会
- 所在地: 京都府京都市右京区
- 代表者: 理事長 松原爲人
- 公式サイト: https://kyoto-hokenkai.or.jp/
本記事は公益社団法人京都保健会の発表をもとに作成しました。
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