和合亮一氏の詩集『詩の礫』がアメリカの翻訳賞にノミネート
福島県出身の詩人・和合亮一氏の詩集『詩の礫』『詩の礫 起承転転』『言葉に何ができるのか』『未来タル』などを中心に編まれた翻訳アンソロジー『WAGO RYOICHI / SINCE FUKUSHIMA』が、アメリカ文学翻訳者協会による「ルシアン・ストライクアジア翻訳賞」の最終候補にノミネートされた。日本の詩人の作品がノミネートされるのは史上2人目となる快挙だ。
和合氏は1968年福島県生まれの詩人で、中原中也賞、晩翠賞、萩原朔太郎賞など数々の賞を受賞している。2011年の東日本大震災直後から、Twitter上で連作詩『詩の礫』を発表し続け、世界的な注目を集めた。2017年にはフランスで詩集「詩の礫」が翻訳・出版され、第一回ニュンク・レビュー・ポエトリー賞を受賞。日本文壇史上初のフランスでの詩集賞受賞となった。
今回ノミネートされたアンソロジー詩集『WAGO RYOICHI / SINCE FUKUSHIMA』には、震災後の福島の季節の風景を背景に、シュールレアリスムの手法から平易な言葉で綴った作品まで、様々なスタイルの詩が収録されている。翻訳はドミニカン大学カリフォルニア校教授のジュディ・ハレスキ氏と、兵庫県立大学教授の高橋綾子氏が担当。巻末にはアメリカの詩人ブレンダ・ヒルマン氏との対談も掲載されている。
受賞者の発表は10月26日・27日にアメリカ・ウィスコンシン州ミルウォーキーで開催されるアメリカ文学翻訳者協会の年次大会で行われる。和合氏は「言葉と共にその背中にある福島人の様々な想いや祈りを、海外のみなさんに詩という文学を通して受け止めていただきたい」とコメントしている。