日本オスラー病患者会が札幌で交流会を開催 専門医らと医療課題を議論
特定非営利活動法人 日本オスラー病患者会は、2026年9月20日(日)に北海道難病センターにおいて「日本オスラー病患者会IN札幌2026」を開催しました。当日は患者や家族ら31名が参加し、3名の医師を迎えてオスラー病の現状と課題について双方向で話し合いました。
全身性疾患の課題を専門医と直接議論

オスラー病(遺伝性出血性毛細血管拡張症:HHT)は、くり返す鼻出血だけでなく、肺、脳、肝臓、消化管など全身に血管病変を生じ得る指定難病です。多診療科にわたる連携が必要とされる一方、希少疾患のため地域による診断や治療、専門医へのアクセスに差があることが課題となっています。
会場には、北海道大学病院 放射線科 阿保大介先生、北海道大学病院 呼吸器内科 今野 哲先生、札幌医科大学 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座 小山雅之先生が参加しました。医師からの一方的な説明にとどまらず、患者が日常生活で経験している問題や不安を伝え、全身性疾患としてのスクリーニング検査や遺伝子検査、定期的な血液検査などの重要性について患者と医療者が共有しました。
遺伝子検査のカウンセリングと保険適用の止血材

遺伝子検査のあり方については、日本オスラー病患者会の村上匡寛理事長から問題提起がなされました。遺伝カウンセリングにおいて「遺伝情報を知らない権利」を尊重することに加え、適切な検査や対応によって回避できる可能性のある重篤な合併症の情報を十分に提供し、患者自身が選択できる環境を整える重要性が議論されました。
また、2026年9月1日から保険適用となった止血材「サージセル」について、行政との交渉経緯や現在の処方・供給上の課題、オスラー病特有の鼻出血に対する止血方法が説明されました。患者自身のセルフケアとともに、医療関係者が疾患特性を理解することの重要性も共有されています。
研究班と連携しより良い診療体制づくりへ
厚生労働科学研究費補助金・難治性疾患政策研究事業「難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究班」の研究代表者を務める今野 哲先生も参加し、研究班の今後について意見が交わされました。診断までの期間や地域での受け入れなど、患者の実体験を政策研究や診療体制の整備に反映していく重要性が確認されました。
日本オスラー病患者会 理事長 村上匡寛は「医師には医学の専門知識があり、研究者には研究と政策につなげる役割があります。そして患者には、毎日その病気とともに生活しているからこそ分かる経験があります」と述べ、患者・医療者・研究者が直接対話できる場を全国に広げていきたい考えを示しました。
開催概要
- イベント名:日本オスラー病患者会IN「札幌2026」
- 開催日:2026年9月20日(日)
- 会場:北海道難病センター 会議室
- 参加者:31名
- 主催:特定非営利活動法人 日本オスラー病患者会
- 協力:一般財団法人北海道難病連、北海道難病センター・札幌市難病相談支援センター
- 助成:第14期 田辺三菱製薬「手のひらパートナープログラム」
本記事は特定非営利活動法人 日本オスラー病患者会の発表をもとに作成しました。
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