Dellows News

駿河屋が静岡で500名採用へ 新卒初任給30万円引き上げと奨学金返還支援を導入

ネット通販およびリアル店舗「駿河屋」を運営する株式会社駿河屋は、「駿河屋 事業戦略発表会」において、静岡県をアニメ・コミック・ゲーム・エンターテインメント(ACGE)のグローバル拠点へと変革する戦略ビジョン「UPDATE SHIZUOKA 駿河屋が貢献するオシノミクス」を発表しました。2030年に向けて静岡を起点に世界へ挑戦するグローバル推進メンバー500名の採用を宣言しています。あわせて、若年層の県内定着と働きがい向上を目指し、高卒を含む新卒初任給30万円への引き上げや奨学金返還支援制度の導入を開始します。

静岡県の人口流出課題とACGE産業の可能性

静岡県では若年層や女性を中心に県外への人口流出が深刻化しており、2025年の日本人転出超過数は全国最多となる7,919人を記録しました。駿河屋は、若年層の県外流出が続く背景として、地元で将来のキャリアを描ける魅力的な雇用機会の不足を挙げています。

一方で静岡県は、2023年のプラモデル出荷額全国シェア86.8%を誇り、県内各地にアニメのモデル地が存在する地域です。また、日本のコンテンツ海外市場規模は2023年に約5.8兆円に達し、2024年にはアニメ産業の海外市場(2.17兆円)が国内市場(1.67兆円)を逆転するなど急成長を続けています。国も2033年までにコンテンツ海外市場20兆円を目指す国策を掲げており、駿河屋はACGE産業を牽引力として地元に世界水準の雇用を創出する考えを示しています。

2030年に向けた500名採用と待遇改善

駿河屋は2030年までに、計500名のグローバル推進メンバーを採用します。募集職種には、27年の目利きノウハウを継承する検品・真贋鑑定プロフェッショナルや、グローバルオペレーション・カスタマーサクセスなどが含まれます。

静岡で働く人材を支援する待遇革新として、高卒を含む新卒初任給を30万円へ引き上げるほか、3年累計で最大184万円を支給する奨学金返還支援制度を導入します。奨学金返還支援制度では返還額に応じた手当が支給され、制度対象外の社員にも同額のスキルアップ手当を支給することで、若年層の経済的負担を軽減するとしています。

推し活ツーリズム推進とグローバル展開

同社は「すべてのモノが『文化』としてリスペクトされ循環する世界を創る(PRE:LOVED)」という理念のもと、体験型旗艦店「駿河屋 本店(静岡県静岡市)」を中心に、越境ECのファンを静岡のリアル店舗へ引き込むOMO(Online Merges with Offline)戦略を展開します。国ごとに異なる需要を捉えることで持続可能な推し活ツーリズムを確立し、地域観光への周遊創出を図ります。

さらに、株式会社メルカリとの提携を通じてグローバルOMOを推進し、駿河屋の商品を世界中のファンへ届ける流通基盤の構築を進めます。発表に際し、駿河屋代表取締役社長の杉山綱重氏は「2030年までに500名の仲間を迎え、最高水準の環境で共に『すべてのモノが文化として循環する世界』を創ってまいります」とコメントしています。また、静岡県知事の鈴木康友氏や静岡市長の難波喬司氏も、コンテンツ産業振興や雇用創出に対する期待を寄せています。

地域全体で連携する共創パートナーの募集

駿河屋は持続可能な地域モデルの構築に向け、自治体、教育機関、金融機関、地域企業などの共創パートナーの募集を開始しました。想定される共創テーマは以下の通りです。

  • 自治体(県・市町村):奨学金返還支援・移住補助金の共同設計、推し活ツーリズム周遊コースの共同開発、後援・政策連携
  • 教育機関(高校・大学・短大・専門学校):定例職場見学会・オープンカンパニーの実施、インターンシップ受け入れ、リユースビジネスを通じた探究学習、キャリア教育への協力
  • 金融機関:グローバル成長投資パートナーシップ、取引先ネットワークを通じた人材・提携先の紹介
  • 地域企業・パートナー:商店街・観光施設とのコンテンツコラボレーション、採用サービスの共同展開

株式会社駿河屋の概要

  • 社名:株式会社駿河屋
  • 本社所在地:静岡県静岡市葵区伝馬町5-4
  • 代表者:代表取締役社長 杉山綱重
  • 事業内容:総合ホビーショップ「駿河屋」の直営およびFC店舗展開を行うリアルストア事業、通販サイト「駿河屋.JP」や越境ECサイト「駿河屋.COM」を運営するeコマース事業、リユース事業者向けSaaS型業務支援システムの開発・提供などを手掛けるソリューション事業

本記事は株式会社駿河屋の発表、ならびに総務省「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」、一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート2025」、経済産業省「通商白書2025」「エンタメ・クリエイティブ産業戦略2026」、静岡県「データでみる静岡県の地場産業」の情報をもとに作成しています。

アクセスランキング

今日

1週間