借入金利0.25%上昇で年46万円の負担増 帝国データバンク試算
株式会社帝国データバンクは、有利子負債を抱える約16.8万社の財務データをもとに、借入金利の引き上げが企業経営に与える影響についての試算結果をまとめた。企業の借入金利が現行から0.25%上昇した場合、1社当たり平均で年間46万円の支払利息負担が増加し、経常利益を平均1.9%押し下げる試算となった。金利上昇に伴う利息負担の増加により、新たに1.6%の企業が経常赤字に転落する可能性があるとしている。
金利引き上げによる負担増と赤字転落リスク
日本銀行は9月17・18日の金融政策決定会合において、政策金利を1.00%程度から1.25%程度へと0.25ポイント引き上げる決定を行った。利上げは2026年6月会合以来3カ月ぶりで、1995年以来およそ31年ぶりの高い水準となる。
今回の試算によると、借入金利が現状から0.25%上昇した場合、対象企業約16.8万社のうち約2700社(1.6%)が経常黒字から赤字に転落する見通しとなっている。
さらに金利上昇が進んだ場合の影響も試算されており、借入金利が0.50%上昇すると利息負担は年92万円増、経常利益の押し下げ幅は3.8%となり、約5500社(3.3%)が赤字へ転落する見込みである。金利が1.00%程度上昇した場合は、年185万8000円の負担増、経常利益は7.7%押し下げられ、約1万社(6.2%)が新たに赤字へと転じる可能性がある。
業種別の影響度は「不動産業」が最大
金利上昇の影響は業種によって差がみられる。
借入金利が0.25%上昇した場合において、最も影響が大きい業種は「不動産業」となった。利息負担は1社当たり平均で年間約230万円増加し、経常利益は平均5.4%押し下げられる試算で、経常黒字から赤字に転落する企業は3.6%にのぼる。
一方、最も負担が小さい業種は「建設業」となり、利息負担の増加は1社当たり平均で年間16万円、経常利益の押し下げ幅は1.4%減にとどまる。
企業の借入金利は6年ぶり高水準、価格転嫁による対応の動きも

2025年度における企業の平均借入金利は1.34%(9月時点集計値)となった。前年度の1.20%を上回り、2019年度(1.36%)以来6年ぶりに1.3%台となる見通しである。コロナ融資の借り換えや返済が進んだことや長期金利の上昇が背景にある。
一方で、0.25%の金利上昇時に赤字転落する企業の割合(1.6%)は、2025年1月調査時の試算に比べて0.2ポイント低下した。コスト増加分を価格へ転嫁する動きが進んで収益力が改善した企業や、現預金の保有による預金利息収入の増加が見込まれる企業があり、金利上昇への対応力が高まる傾向もうかがえる。
ただし、資金繰りの悪化を借入金等で補填してきた中小企業にとっては、急激な金利変動による支払利息の増加で資金繰りが一層厳しい局面に直面するとみられ、利上げ局面に対応した早期の経営の軌道修正が求められている。
調査の概要
- 対象企業:2025年度(2025年4月~26年3月)に決算を迎えた企業で、長短借入金を含む有利子負債および支払利息が発生している全国・全業種の約16.8万社
- 集計方法:各平均値は上下各5%、計10%のトリム平均値を使用
- 留意事項:決算期末のデータに基づくため、期末以降の返済・借り換え・追加借入による有利子負債の増減は非考慮。同様の調査は2025年12月に続いて4回目
本記事は株式会社帝国データバンクの発表をもとに作成。
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