渋谷区全域で晴雨兼用傘シェアリング本格化
東急不動産ホールディングス株式会社と株式会社Nature Innovation Groupは、2024年8月28日から渋谷区全域で晴雨兼用傘のシェアリングサービスを本格的に開始した。この取り組みは、6月に始動した「傘のいらない街 渋谷」プロジェクトの一環であり、記録的な猛暑が続く今夏の熱中症対策として日傘利用を推進するものだ。
渋谷駅半径600m以内に、9月中に100か所のアイカサのレンタルスポット(傘立て)を設置する予定で、東急不動産が運営する商業施設「ハラカド」などには既に22か所のスポットが設置されている。レンタルされる晴雨兼用傘は、東急不動産HDがオリジナルで製作したもので、一級遮光として90%以上の遮光率と紫外線遮蔽率を誇る。
環境省の調査によると、日傘を利用することで暑さ指数(WBGT)が1~3℃程度減少し、熱中症警戒レベルが1段階下がるなどの効果が認められている。一方で、Nature Innovation Groupが7月に実施した調査では、男性の日傘購入への抵抗感が女性の約4倍(44.6%)であることが明らかになった。
今回のプロジェクトでは、街全体を巻き込みながらコンビニを超えるインフラとなることで「使い捨て傘ゼロ」を目指し、環境保全に寄与しつつ雨の日の経済圏を活性化させ、渋谷エリアの資産価値向上を図る。2022年度に発足した「2030年使い捨て傘ゼロプロジェクト」には、2024年8月現在で13社の大手企業が参画しており、各社がオリジナルデザインの傘の制作や従業員へのアイカサ利用の無償提供などに取り組んでいる。
東急不動産ホールディングス㈱グループサステナビリティ推進部の松本恵部長は、「渋谷全体にアイカサスポットを展開し、傘のシェアリングを進めることで、ビニール傘のポイ捨てを防ぎ、街の景観や環境負荷の低減に効果がある」とコメントしている。