イエメンで戦闘激化、2週間で10万人超が避難し人道危機が悪化 ユニセフ発表
ユニセフ(国連児童基金)は2026年9月16日、イエメン各地で戦闘が再び激化し、深刻な人道危機が一段と悪化していると警鐘を鳴らしました。わずか2週間で5万7,000人を超える子どもを含む10万4,000人超が避難を余儀なくされ、死傷者や行方不明者も報告されています。ユニセフは影響を受けた最大23万1,000人を支援するため、緊急対応を拡大しています。
戦闘激化による被害と教育・医療への影響
イエメンでは9月3日以降、少なくとも子ども9人の死亡と12人の負傷が報告されています。また、イエメン西部の沿岸からアデンへと続く道路が攻撃を受け、子ども3人が行方不明になったと報じられています。
タイズ県西部、ホデイダ県南部、マアリブ県などで続く戦闘により、子どもたちは必要不可欠なサービスを利用できなくなっています。ユニセフが支援する26の保健医療施設で業務に支障が生じているほか、243の学校が閉鎖または休校を余儀なくされ、13万7,000人を超える児童・生徒に影響が及んでいます。
被災地域における緊急支援の展開
ユニセフは事態の悪化に対応するため支援活動を進めています。タイズ県では保健医療施設への支援に加え、衛生キットや貯水タンクを配布しているほか、マアリブ県では追加の水や衛生用品を提供しています。また、アデン県、マアリブ県、タイズ県の避難施設や被災地域に9つの移動式保健・栄養チームを再配置しました。
さらに、安全な飲み水の供給や衛生用品の配布、損傷した給水・衛生システムの緊急修復を通じて、20万人超の人々に支援を届けることを目指しています。子どもの保護チームにおいては、保護者のいない子どもや家族と離ればなれになった子どもへの心理社会的ケアやケースマネジメントの提供、爆発性戦争残存物による危険を軽減する活動への支援を行っています。
ユニセフ中東・北アフリカ地域事務所代表のエドゥアルド・ベイグベデルは、長年にわたり飢餓や避難、学校教育の中断に耐えてきた子どもたちにとって、今回の暴力がかろうじて保っていたわずかな安定さえも奪いつつあると指摘しています。
戦闘激化の影響はバブ・エル・マンデブ海峡を挟んだ対岸にも及び、極端な高温や脱水症状などの危険を伴う航海を経て、多くの子どもを含む2,000人を超える人々がジブチに到着しました。ユニセフは当局と連携し、水や衛生サービス、子どもの保護支援などを提供しています。

イエメンでは今回の戦闘激化以前から推定1,220万人の子どもが人道支援を必要としていました。220万人を超える5歳未満児が急性栄養不良の状態にあり、そのうち51万5,000人超が重度の急性栄養不良に陥っています。また、320万人の学齢期の子どもが学校に通えず、1,780万人が十分な保健医療、水・衛生サービスを受けられない状況で、全面的に機能している保健医療施設は全体の60%にとどまります。
ユニセフは、民間人の保護と国際人道法の遵守、人道支援関係者の安全なアクセス確保を求めるアントニオ・グテーレス国連事務総長の要請を強調しています。
組織概要
- ユニセフ(UNICEF:国連児童基金):すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関。現在約190の国と地域(ユニセフ国内委員会が活動する32の国と地域を含む)で活動を展開(https://www.unicef.org )
- 公益財団法人 日本ユニセフ協会:32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として広報、募金活動、アドボカシーを担当(https://www.unicef.or.jp )
本記事はユニセフの発表をもとに作成しました。
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