9月の食品値上げ1392品目に、コーヒーやチョコにも影響

株式会社帝国データバンクが、2024年9月以降の食品値上げ動向と展望・見通しについて分析を行った。9月の食品値上げは1392品目に上り、5カ月ぶりに1千品目を超えた。前年同月と比べると756品目(35.2%)少なく、9カ月連続で前年同月を下回った。2024年通年の値上げ品目数は11月までの累計で1万1872品目、年間の平均値上げ率は17%となった。

2024年の値上げ要因では、「原材料高」が92.5%と最も多く、円安ドル高の影響が長期化していることを背景に「円安」要因の値上げは29.6%を占めた。また、「人件費」由来の値上げは27.2%と、2023年通年(9.1%)を大きく上回る水準が続いた。

食品分野別では、冷凍食品を中心とした「加工食品」が757品目と最も多く、9月全体の約半数を占めた。「菓子」ではラクトアイスなど「乳製品」を含め冷菓製品で値上げラッシュとなり、チョコレート製品の値上げも多かった。「酒類・飲料」の中心となるコーヒー飲料同様に、豆不足「ビーンショック」の影響が長期化している。

高い上昇率が続く食品の値上げに対し、消費者の「値上げ疲れ」が続き、小売現場から食品に対する値下げ圧力が強まりつつある。一方で、メーカー側では包装資材や物流費などのコスト増、異常気象による原材料高、人件費の増加など、複合的な値上げ圧力は高止まりしたままだ。近時は、本体価格の「引き上げ」から内容量の減量などによる「据え置き・維持」へのシフトが目立ってきた。

先行きでは、10月の食品値上げ予定品目数は3千品目前後の着地が予想され、2024年通年の食品値上げ品目数は2023年通年から半減となる1万5千品目前後が想定される。