ABEJA、AI運用の新技術Triple HITLを開発し特許出願
株式会社ABEJAは、ミッションクリティカル業務のAI実装に向けた技術「Triple Human in the Loop(Triple HITL)」を開発し、特許を出願しました。従来の「Human in the Loop」を進化させ、安全性の担保とAIシステム全体の自律的な継続的改善の両立を目指します。同社は今後、自社の実装基盤である「ABEJA Platform」への搭載を進める方針です。
開発の背景と目的
ABEJAは、わずかな誤作動やシステム停止が重大事故や巨額の経済損失につながるミッションクリティカル業務において、AI実装の支援を行ってきました。対象領域はプラントの自動運転、大規模災害時の災害対応支援、電力・通信インフラの制御、金融決済、医療や物流業界のロボティクスなど多岐にわたります。
同社は2012年の創業以来、AIの不確実性を前提に人が関与して安全にシステムを運用・高度化させる「Human in the Loop」の技術に取り組んでおり、2018年には「ABEJA Platform」へ搭載しました。今回の「Triple HITL」は、失敗が許されない現場でのAI利活用において、安全性と継続性を担保しながら、より強固なAI実装を推進するために開発されました。
3つのループで自律的な改善を実現する仕組み
「Triple HITL」は、これまで混ざり合っていた人間とAIのフィードバックプロセスを3つに切り分け、それぞれに関与手法を確立してシステム化したアーキテクチャです。現場の業務負荷を抑えつつ、高品質な再学習データを抽出・蓄積してシステムの自律的な改善を推進します。
- 実行ループ(Execution Loop)
現場のオペレーションをリアルタイムで安全に運用するための仕組みです。現場担当者はAIの提案や成果物に対して承認・非承認の判断を行い、秒単位の判断が求められる現場でも負荷を抑えて稼働させます。
- 向上ループ(Enhancement Loop)
現場業務とは切り離された環境で、担当者と独自開発の「Enhancement AI」が協調し、AIシステム全体の改善と精度向上を担うコア技術です。設問への自動変換によって担当者の暗黙知や熟練ノウハウを引き出し、ミスの原因分析やAIによる改善案の提案を通じて自律的な改善を図ります。
- 拡張ループ(Extension Loop)
既存環境の安全性を保ちながら、新たな知識の拡張や他部門のデータ環境へ適用範囲を広げる仕組みです。外部の異なるデータ形式をAIが読み取り、改善提案を人間が承認して統合します。
なお、同社は高リスクな誤作動を自動検知してシステムを停止し、人の監視下に切り替える「ガードレール機能」をすでに「ABEJA Platform」に搭載しており、「Triple HITL」の融合によってさらなる安全性と堅牢性の強化を見込んでいます。

今後の展開と会社概要
ABEJAは今後、ミッションクリティカル業務におけるAI実装の加速に向けて「ABEJA Platform」への「Triple HITL」の搭載を進めるとともに、関連する研究開発を継続するとしています。
- 会社名:株式会社ABEJA
- 本社所在地:東京都港区三田一丁目1番14号 Bizflex麻布十番2階
- 設立:2012年9月10日
- 代表者:代表取締役CEO 岡田 陽介
- 事業内容:顧客のAI活用を実運用として成立させ、継続的な高度化を実現する「エンタープライズプラットフォーム事業」
- URL:https://abejainc.com
本記事は株式会社ABEJAの発表をもとに作成しました。
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