スペースシードHD、軌道上で微細藻類を自律培養する構想を発表
スペースシードホールディングス株式会社(SS-HD)は、2026年8月19日にマレーシアのサンウェイ大学(Sunway University)で開催された国際会議「Global Algae Summit 2026」で、微細藻類を軌道上で自律的に培養する構想を発表しました。大規模言語モデル(LLM)を中核とする自律実験基盤「SpaceAgent」を、6Uサイズ(約6リットル)の超小型軌道上実験機に実装する設計を示しています。代表取締役の鈴木健吾は、宇宙飛行に伴う遺伝子発現の変化に対して藻類由来成分を公開オミクスデータからAIで探索する研究もあわせて発表しました。
軌道上実験の課題と自律実験基盤「SpaceAgent」の仕組み


超小型衛星を利用した宇宙での実験には、通信帯域が狭く途切れる時間帯があることや、無重力環境では地上の手順がそのまま通用しないこと、画像データの送信コストが高いことといった制約が存在します。
これらの課題に対し、SS-HDが提示した「SpaceAgent」は、単一のマルチモーダルAIが観察・送液・環境制御・分析といった異なる実験モジュールを1つの論理インターフェースで登録し、統合した推論によって動作させる基盤です。画像や環境データ、操作記録を1つの状態として判断する「統合推論」や、重力状態と通信途絶の確率に応じて判断場所を地上と機上で切り替える仕組み、物理的限界を超える指令を制限する出力検証層、取り返しのつかない操作のみ地上の承認を待つ動的ゲーティングなどを特徴としています。
動物細胞培養との違いと微細藻類の可能性
微細藻類は二酸化炭素を固定して酸素を排出し、光と栄養からバイオマスや素材の原料を生成できるため、閉じた居住空間における生命維持の候補として注目されています。
SS-HDの自律実験基盤は細胞実験を出発点として設計されてきましたが、光合成独立栄養で培養する微細藻類は、光の強さ・波長・明暗周期を電気的に制御できる特徴があります。そのため、試薬の送液操作が中心となる動物細胞培養とは異なるアプローチが可能であることから、最初の搭載対象として選定されました。
基盤技術の特許出願と今後の展望


自律実験装置SpaceAgentの中核技術は、2026年6月10日付で特許庁に出願されています。出願はリジェネソーム株式会社、スペースシードホールディングス株式会社、株式会社IDDK、株式会社スペースノーム研究所の4社による共同出願です。
- 特願2026-097380:実験モジュールの統合制御装置
- 特願2026-097387:細胞実験用の統合自律実験装置

代表取締役の鈴木健吾は、軌道上の実験環境や通信の制約から自律性が必要であるとした上で、「2040年までに人類が宇宙で暮らすための技術を揃えるという私たちの目標は、地上の産業にもつながるものだと考えています。」と述べています。
- 社名:スペースシードホールディングス株式会社
- 本社所在地:東京都港区
- 代表者:代表取締役 鈴木健吾
- 事業内容:宇宙系ディープテックベンチャービルダー(「Fermentation and Longevity Fund」プログラムの運用など)
- ウェブサイト:https://ss-hd.co.jp/
本記事はスペースシードホールディングス株式会社の発表をもとに作成されています。
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