JDA2026国内最優秀賞に火を使わないデジタル仏具moritoが選出
ジェームズ ダイソン財団は、国際学生デザイン・エンジニアリングアワードであるJames Dyson Awardの2026年度日本国内最優秀賞1作品と国内準優秀賞2作品を発表しました。2005年の初開催以来、世界27の国と地域から2,200件を超える応募が寄せられた今年度、国内最優秀賞には法政大学卒業生のチームによる作品が選出されました。国内最優秀賞の受賞作品には賞金5,000ポンド(約105万円*)が贈られます。
国内最優秀賞は火を使わないデジタル仏具「morito」
JDA2026の国内最優秀賞には、法政大学卒業生の山田 颯人氏、須田 丈晴氏、廣瀬 一紀氏、眞砂野 湧氏による「morito -火を使わないデジタル仏具-」が選ばれました。火気を使わずにミストをLEDで照らすことで擬似的な炎を生み出し、従来の供養が持つ「光・煙・香」の情緒を受け継ぎながら、火災や負傷のリスク低減を図る安全な供養品です。身体機能や認知機能の低下により火の扱いに不安を抱える高齢者にも、視覚的な満足感と安心感のある供養体験を提供することを目指しています。

開発のきっかけは、筋力が弱くライターで火をつけられない祖母が、台所のコンロで線香に火を灯す姿を見て危険だと感じた開発者自身の経験にあります。限られたスペースの中でノズルや加湿器モジュール、光源、水分の詰まりを防ぐ構造を成立させつつ、見た目の軽やかさを両立させることが主な課題でした。祖父母へのユーザーテストや僧侶からのフィードバックを重ねて改良が進められました。
埃の再生紙とキノコ由来の難燃コーティングが国内準優秀賞を受賞

国内準優秀賞には2作品が選出されました。武蔵野美術大学のJi Sangeun氏が開発した「Dust Paper」は、捨てられてきた埃を和紙の原理を用いて書くことや印刷ができる紙へと再生するサステナブル素材です。集めた埃を煮沸して和紙の繊維と混ぜて手漉きする手法で、採集場所ごとに異なる埃の構成を活かし、場所の記憶を保存する媒体にもなります。
もう一つの国内準優秀賞は、慶應義塾大学のJacob Nygard氏、Moe Pwint Eain氏、Sai Yee Tip氏による「TAIKA」です。都市火災リスクと農業廃棄物の課題を同時に解決する循環型ソリューションとして、キノコ由来のキトサンと農業廃棄物から回収したシリカを原料にした水性のハケ塗り型難燃コーティングを開発しました。木材に塗布することで高温下に断熱性のある炭化保護層を形成し、延焼の抑制と煙の低減を目指します。

各国の受賞作とともに国際最終審査へ
受賞した作品群は国際最終審査へ進みます。世界27の国と地域から集まった国内優秀賞受賞作品の中からダイソンのエンジニアが国際TOP20作品を選出し、ダイソン創業者であるジェームズ ダイソンが国際最優秀賞、準優秀賞、サステナビリティ賞を決定します。

今後の選考結果は、国際TOP20作品が10月14日に、国際最優秀賞の結果が11月4日に発表される予定です。国際最優秀賞受賞者とサステナビリティ賞受賞者には、賞金30,000ポンド(約630万円*)が贈られます。


- 1ポンド=約212円
本記事はジェームズ ダイソン財団の発表をもとに作成。
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