千葉豪雨の被災車両は約3万台と推計、半数は保険対象外か 日本カーシェアリング協会
一般社団法人日本カーシェアリング協会は、2026年8月に千葉県で発生した豪雨災害による被災車両が約3万台にのぼるとの推計を発表した。大手損害保険4社への車両保険請求件数と千葉県の車両保険加入率をもとに独自に算出したもので、支援に必要な規模を把握する目的がある。同県の加入率を踏まえると、被災車両のうち約1万5,000台(約49.5%)は車両保険の対象外となり、修理費や買い替え費用が自己負担になると見込まれている。
公認統計と報道データから被災規模を推計
災害時における住宅の被害棟数は自治体が集計して罹災証明の発行などに用いられる一方、車両の被害台数を集計・公表する公的な仕組みは存在していない。そのため被害規模が把握されないまま復旧が進み、定量的な支援規模を示すことが困難だった。2011年の東日本大震災以降、被災地での車両支援を続ける同協会は、社会的な課題提起と支援規模検討のため推計を実施した。
推計は、NHKが報道した大手損保4社の車両保険請求件数(2026年8月26日時点で1万3,800件超)と、日本損害保険協会による千葉県の車両保険加入率(2025年3月末時点で50.5%)をもとに行われた。
- 請求件数からの割り戻し:大手4社への13,800件を加入率50.5%で割り戻すと約27,300台となり、これが推計の下限値となる。
- 大手4社以外の反映:業界統計による大手4社の自動車保険シェア(約8〜9割)をもとに中堅・ネット系損保や自動車共済(JA共済、こくみん共済等)の分を補正すると、全体の請求件数は約1万5,300件〜1万7,300件と見込まれる。
- 補正後の推計:シェア9割(15,300件)と仮定した場合は約30,300台、シェア8割(17,300件)と仮定した場合は約34,200台となる。
これらをもとに、被災車両を約3万台と推計した。なお、8/26報道時点以降も保険金請求の受付は継続しているため、最終的な件数はさらに増加する可能性がある。本推計は独自に算出したもので公的な確定値ではないことや、大手4社のシェアが概数であることなどの注記も付されている。
車両保険の未加入により約1万5,000台が自己負担となる見通し
日本損害保険協会の統計(2025年3月末)によると、千葉県における対人賠償保険の加入率が79.6%であるのに対し、車両保険の加入率は50.5%にとどまり、約29ポイントの差がある。また、加入義務のある自賠責保険では水没による車両損害は補償されない。
推計値である3万台を当てはめた場合の内訳は以下の通りとなる。
- 車両保険から保険金が支払われる車両台数:約1万5,000台(50.5%)
- 車両保険がなく、修理費や買い替え費用が全額自己負担になる車両台数:約1万5,000台(49.5%)
同協会の吉澤武彦代表理事は、被害規模が共有されないまま復旧が進む現状に触れ、半数近くが自己負担となる実態や支援の必要性を広く知ってほしいとしている。
支援要請の増加と活動資金調達の取り組み
同協会には、通院・通勤や片付け作業用の軽トラック、支援活動用車両の確保に関する相談が寄せられている。千葉県内からの貸出要請は816件に達しており、2026年6月以降に発生した一連の災害(鹿児島豪雨、栃木・群馬豪雨、熊本地震、千葉豪雨、石川・富山豪雨、福井豪雨)への支援申込件数は、9月15日時点で2,040件にのぼる。
現在は13か所の臨時拠点を設置し、無償貸出を行う「災害サポート・レンタカー」を実施している。一連の対応費用は約9,000万円を見込んでおり、当初想定を2,000万〜3,000万円上回ることから、車両確保や運営費などの不足に対応するためクラウドファンディングを実施している。
クラウドファンディングおよび団体の概要は以下の通り。
- プロジェクト実施期間:2026年9月30日(火)23時まで
- 目標金額:1,000万円(当初目標500万円から変更)
- クラウドファンディングURL:https://readyfor.jp/projects/japan-csa2026
- 団体名:一般社団法人日本カーシェアリング協会
- 所在地:宮城県石巻市
- 代表理事:吉澤武彦
- 設立:2011年
- 公式URL:https://www.japan-csa.org/
本記事は一般社団法人日本カーシェアリング協会の発表をもとに作成。推計の根拠としてNHK「千葉豪雨 車の浸水 大手損保では保険請求受け付け1万3800件超」(2026年8月26日)、日本損害保険協会「自動車保険 都道府県別加入率」(2025年3月末)、損害保険料率算出機構「2025年度 自動車保険の概況」の情報が参照されている。
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