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NTT、微細藻類のCO₂吸収を測る新技術を確立 誤差を最大約8%に低減

東京都千代田区に本社を置くNTT株式会社(代表取締役社長:島田 明)は、微細藻類によるCO₂吸収の時間変化を簡便かつ高精度にモニタリングできる計測技術を確立しました。独自の補正技術により、従来の滴定法による測定値に対する相対誤差を最大約3300%から最大約8%まで低減させています。本成果は、2026年8月12日に国際学術誌Algal Researchに掲載されました。

培養中の溶存無機炭素をセンサで連続測定

微細藻類は光合成によってCO₂などの無機炭素を利用して増殖し、得られるバイオマスは飼料や燃料、化学品などの原料としての活用が期待されています。培養液中では、CO₂は水に溶けた状態だけでなく重炭酸イオンや炭酸イオンなどの形でも存在しており、これらは溶存無機炭素(DIC)と総称されます。微細藻類によるCO₂吸収量を評価するには、水中で形を変えて存在するDIC全体の動きを把握することが重要とされています。

従来の滴定法はDIC濃度を正確に測定できる一方、測定ごとに培養液を採取する必要があり、手間と時間を要するため連続的なデータ取得には適していませんでした。また、センサデータと炭酸平衡に基づく既存の計算方法は連続算出が可能であるものの、微細藻類の培養液にそのまま適用すると滴定法による測定値に対する相対誤差が最大約3300%に達し、正確な算出が困難でした。

pH変化に着目した補正技術で誤差を低減

NTTがセンサを用いたDIC算出値に誤差が生じる原因を解析したところ、培養の進行に伴い培養液のpHが約8.4から約10.0へ上昇していることが明らかになりました。微細藻類が光合成によりDICを利用した結果、培養液中の炭酸平衡が変化し、短時間での大きなpH変化が生じるため、既存の計算を適用すると大きな誤差につながると考えられました。

そこで同社は、滴定法によるDIC測定値とセンサ測定値から算出したDIC値との差に着目し、相対誤差とpHとの関係を解析したうえで、pHに応じてDIC算出値を補正する補正式を構築しました。

この補正式を適用した結果、DIC算出値の滴定法による測定値に対する相対誤差は、補正前の最大約3300%から補正後には最大約8%まで低減しました。なお、この補正式は5L培養瓶、25℃、pH 8~10の範囲における実験室環境で有効であることが確認されています。

明期・暗期における炭素量の時間変化を把握

本技術の適用例として、補正後のDIC濃度から培養液中のDICに含まれる炭素量を算出し、培養容器内の空気中のCO₂に含まれる炭素量と合計して評価が行われました。12時間ずつ明期と暗期を繰り返す条件で微細藻類培養区と藻類を含まない対照区を比較したところ、光を照射する明期には光合成によるCO₂吸収と整合する炭素量の減少が確認され、暗期には呼吸などの影響により明期とは異なる変化が観察されました。

これにより、光条件に応じた微細藻類のCO₂吸収に伴う炭素量の時間変化を、継続的かつ高精度に捉えられることが確認されたとしています。

今後の展開

NTTは今後、藻類種の違いや実生産を想定した培養条件など、より多様な条件での検証を進めることで本技術の適用可能性を高めていく方針です。

DIC濃度の時間変化データを活用してCO₂を活発に吸収する条件や吸収が低下するタイミングを把握し、培養条件の最適化を通じてCO₂吸収量の向上やバイオマス生産の効率化を図るとしています。さらに、培養装置の環境制御技術や培養事業者のノウハウと組み合わせることで、高度な培養管理や生産性向上につなげ、藻類バイオマスの産業利用への貢献をめざすとしています。

本記事はNTT株式会社の発表をもとに作成しました。

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