ウィ・キャンがカスハラ白書を公開 医療・介護の相談約7割が組織介入必須の段階
カスタマーハラスメント対策サービスなどを手がける株式会社ウィ・キャンは、同社の相談窓口に寄せられた相談を分析した『カスタマーハラスメント白書 2025年度版』を公開した。医療・介護・福祉の従事者からの相談995件と患者・家族等からの相談1,306件の計2,301件の記録をもとに、現場の実態を整理している。2026年10月1日から事業主に対するカスタマーハラスメント対策が法的に義務づけられることを背景に、同白書は登録不要かつ無料で全文が公開されている。
相談の約7割が組織介入必須の段階に到達

2025年度(2025年4月1日〜2026年3月31日)に寄せられた従事者からの相談995件を危険度3段階で分類したところ、危険度3(組織介入が必須)が677件(68.0%)、危険度2(負荷の集中)が238件(23.9%)、危険度1(違和感・初期)が80件(8.0%)となった。危険度2と3を合わせた915件が全体の約92%を占めている。
本来最も多いはずの予兆にあたる危険度1が8.0%にとどまっていることについて、同社は予兆の段階では危険と気づかれず深刻化していると指摘する。危険度3の677件をもとにハインリッヒの法則の比率(1:29:300)を当てはめた場合、背後にある軽微・未相談の事例は約7,000件と算出され、現場が実際に対応している事案は年間1万件規模に達すると推計している(件数は概数)。

また、1件あたりの平均相談時間は27.3分で、30分を超える相談が381件(38.3%)にのぼった。
家族による行為が約半数、訪問先での発生も3割近く

行為者が判明している相談では、利用者本人が49.5%、利用者の家族が残りの約半数を占めた。家族の内訳は子が35.7%、配偶者が9.6%、親・兄弟が5.2%となっている。行為の内容は暴言が42.5%、不当な要求が30.5%で、両者で7割以上を占めた。
発生場所は自施設が39.8%、利用者・患者の自宅が29.2%であり、訪問先という閉じた空間での発生が3割近くを占めている。
行為の類型と背後にある構造
厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」の9類型による行為の分類では、暴言型が36.2%で最多となり、次いでリピート型が18.9%となった。
さらに行為が止まらない構造の分類では、契約外要求(境界線の逸脱)が34.0%で最も多かった。同社は、行為の背後にある構造によって有効な打ち手が変わるため、行為だけを見て対処しても構造が残る限り形を変えて再発するとしている。
株式会社ウィ・キャンの代表取締役である濱川博招は白書の巻頭で、職員を守ることは利用者を守ることと矛盾しないとし、安心して働ける環境があってこそ質の高い医療・介護が提供されると述べている。
株式会社ウィ・キャン概要
- 会社名:株式会社ウィ・キャン
- 所在地:〒105-0004 東京都港区新橋6-9-2 新橋第一ビル本館7階
- 代表者:代表取締役 濱川 博招
- 事業内容:カスタマーハラスメント対策サービス「DFS(ディフェンス・フォース・サービス)」の運営ほか
- URL:https://www.wcan.co.jp/
本記事は株式会社ウィ・キャンの発表をもとに作成されています。
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