映画業界のDX推進へ、松竹・東映・フラッグ3社で「シネマDXプロジェクト」始動

松竹、東映、フラッグの3社が共同で、顧客データを活用したデジタル広告プラットフォームを開発し、映画マーケティングのDXを推進する「シネマDXプロジェクト(CDX)」を始動する。CDX推進に伴い、松竹・東映がフラッグの第三者割当増資を引き受け、両社で約14%を保有する資本業務提携を締結した。

映画業界は変革の時を迎えており、効率的で効果的な映画のマーケティング手法が求められている。プライバシー保護規制の強化により、自社で抱えるファーストパーティデータの有効活用が重要な課題となっている。

CDXでは、松竹グループの松竹マルチプレックスシアターズ(SMT)と東映が運営する映画館の顧客データを活用し、ファーストパーティデータである顧客データと映画作品のマーケティングデータを活用した新たなデジタル広告プラットフォームを開発する。本プラットフォームは他の映画会社向けにも提供する予定で、2027年には3億円以上の取扱高を見込んでいる。

また、三社が保有する映画宣伝の知見と各種データを基に映画宣伝手法を分析し、映画業界におけるカスタマージャーニーの構築と映画宣伝のDX推進を目指す。映画宣伝に従事する人材のデジタルリテラシー向上を図り、業界全体での人材育成と業務効率化に貢献する。

松竹・東映グループの映画館にCRM(顧客関係管理)およびCDP(顧客データプラットフォーム)を導入し、観客の鑑賞動向を正確に把握してパーソナライズされた顧客サービスを提供する。具体的には、Webサイト訪問者の鑑賞嗜好を元にした作品のレコメンデーションや、鑑賞意向のある作品の上映スケジュール通知など、きめ細かなCRMの徹底によって映画館への来場者の増加と来場頻度の向上を目指す。

三社の力を結集して、映画産業をデジタルマーケティングでリードし、新たな宣伝手法の確立と市場の持続的な成長を実現することを目指す。