鳴門市がおてつたびと連携協定締結、移住促進へ
徳島県鳴門市は、株式会社おてつたびと自治体初となる連携協定を締結した。おてつたびは、地方で働きながら旅する若者と人手不足に悩む農業・観光業などの事業者をマッチングするサービスを提供するスタートアップ企業だ。
鳴門市では、2023年度からおてつたびのプラットフォームを通じて全国から参加者を募集し、約2週間の農業アルバイトを体験してもらう「半農半X」推進シェアハウス事業を実施している。7月16日に行われた連携協定締結式では、おてつたび代表取締役の永岡里菜氏と鳴門市長の泉理彦氏が協定書に署名した。
協定内容は、移住交流の促進や関係人口の創出・拡大に向けた情報発信・機運醸成、体験事業の実施、地域外人材を活用した市内事業所の人手不足解消などだ。
永岡氏は、おてつたびのビジョンである「日本各地にある本当にいい人、いいもの、いい地域がしっかり評価される世界を創る」の実現に向け、鳴門市との連携を通じて人手不足解消や関係人口拡大、地域経済活性化に貢献したいと述べた。
泉市長は、コロナ禍等による地方移住への関心の高まりを背景に「半農半X」を新たなコンセプトに移住交流を促進してきたと説明。おてつたびとの出会いにより、農業アルバイト体験事業を実施し、移住交流や関係人口創出、農繁期の人手不足解消につながっていると語った。
7月22日からは、2024年度「半農半X」推進シェアハウス事業(なると金時編)がスタートしている。参加者は半日を鳴門の特産品「なると金時」の農作業に、もう半日をシェアハウスでの交流に充てる。今後は「半農半X」の取り組みに加え、観光業など他業種でも受け入れを拡大する方針だ。
これまでおてつたびのプラットフォームを通じて、全国各地から39名が鳴門市を訪れ、うち1名が移住・起業するなど、新たな風を吹き込む事例も出てきているという。