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DICTから新会社DICT Koinon誕生 非金銭的価値の循環目指す

Web 3.0やDAOによる共創イノベーションのための社会実験コミュニティ「DICT」から、19社目となる新会社「株式会社DICT Koinon」が誕生しました。代表取締役には、社会起業家・社会物理学者でDICT創設者の山本晋也が就任しています。同社は、共感や感謝、スキル提供といった金銭だけでは表しきれない価値を可視化し、人やプロジェクトを越えて循環させる仕組みの企画・設計に取り組みます。

金銭に換算しきれない価値を可視化する狙い

株式会社DICT Koinonの社名にある「Koinon」は、古代ギリシャ語で「共通のもの」「共有されるもの」を意味し、複数の都市国家が独自性を保ちながら結びついた共同体や連合体を表す言葉に由来します。同社は、価値の流れを単なる数量ではなく関係性のデータとして捉え、交換や贈与の手段であると同時にコミュニティの関係性を捉える観測装置として設計することを目指しています。

DICTではこれまで、メンバーの内発的な動機や共感、利他の精神によって多くの共創が生まれてきました。しかし、その過程で行われた貢献や価値の移転は取引として記録されず、記憶の中にのみ残るケースが少なくありませんでした。すべての協力を金銭で精算すると共創が単なる取引へと変わる可能性がある一方、不可視のままでは価値の循環や次の活動へのつながりを把握できないという課題があります。同社は、金銭だけでは表しきれない価値を単なる取引に変えずに可視化する選択肢をつくるとしています。

過去の失敗を踏まえた二度目の実験

DICTは過去にブロックチェーンを用いたトークンを発行し、海外の取引所で公開した経験があります。しかし、換金可能な資産として設計された仕組みは投資対象として受け取られ、共創の記録として内発的な動機に接続されず、資金調達や国内規制環境、参加者の理解といった面でも課題が生じて取り組みを中止しました。

今回の取り組みは、その経験を踏まえた「二度目の実験」と位置づけられています。投資や資産形成を目的とせず、共感や感謝、貢献の記録と循環に焦点を当てます。また、貢献に単位や評価を与えることで「面白そうだから協力する」という内発的動機が報酬目的の外発的動機に置き換わる副作用についても検証を行い、想定した結果が得られなかった事例も含めて社会実験や研究の成果として発信する方針です。

山本晋也代表取締役は、記録に残らない連鎖がコミュニティを動かしてきたとしつつ、「今回もうまくいかないかもしれません。それでも、うまくいかなかったこと自体が記録として残るのであれば、社会実験としては意味があると考えています」とコメントしています。

活動領域を越えた越境と協働の促進

株式会社DICT Koinonは、異なるテーマを持つ複数のコミュニティや事業、プロジェクトの間で人の移動や協働を生み出す「越境」の環境づくりも検証します。

あるプロジェクトでの貢献を別のコミュニティのイベントやサービスなどにつなげることで、一つの枠組みにとどまらない人や知識、専門性の移動を促します。具体的な価値循環の方法や仕組みの名称、運用方法、開始時期については、今後の実証実験を通じて検討していくとしています。

株式会社DICT Koinonの会社概要

  • 会社名: 株式会社DICT Koinon(ディクト・コイノン)
  • 設立: 2026年8月
  • 本社所在地: 神奈川県三浦市南下浦町上宮田3494番地8
  • 法人番号: 9021001088808
  • 代表取締役: 山本晋也
  • 取締役: 政氏裕香、河野翔一
  • 事業内容: コミュニティにおける価値循環の企画・設計、コミュニティ経済圏の構築・運営、複数のコミュニティや事業、プロジェクト間の連携設計、コミュニティネットワークの調査・分析、社会実験および研究成果の発信

本記事は株式会社DICT Koinonの発表をもとに作成しました。

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