新潮文庫史上最厚の1,088ページ、米作家マット・ラフの大長篇小説『魂に秩序を』が刊行
株式会社新潮社は2024年6月26日、米作家マット・ラフの大長篇小説『魂に秩序を』を新潮文庫として刊行した。本書は新潮文庫の長い歴史の中でも最厚の1,088ページを誇る隠れ話題作だ。
『魂に秩序を』は、多重人格者のカップルが出生の秘密や殺人事件の真相、自身の愛の行方を求めて生まれ故郷へ旅する物語を軸に、ミステリー、青春小説、サスペンス、冒険小説、ノワール、成長小説、モダンホラー、情痴小説、ロードノベル、SF、ラブストーリー、ジェンダー・クライシス文学など、あらゆるジャンルを包み込んでスピーディに展開する、まさに物語の万華鏡とも言える作品だ。
著者のマット・ラフは1965年ニューヨーク生まれ。1988年に『Fool on the Hill』でデビューし、続く『Sewer, Gas & Electric: The Public Works Trilogy』(1997年)をトマス・ピンチョンらに賞賛され、新しいアメリカ文学の担い手として注目された。邦訳には、ジェイムズ・ティプトリー・Jr.賞を受賞した『魂に秩序を』(2003年)のほか、『バッド・モンキーズ』(2007年)、『ラヴクラフト・カントリー』(2016年)がある。
翻訳は英米文学翻訳家の浜野アキオが手掛けた。浜野は1961年宮城県生まれ、京都大学文学部卒業。ウィルフォード『拾った女』、ヴァードン『数字を一つ思い浮かべろ』、チェイズ『天使は黒い翼をもつ』、ブルックス『モンスター・パニック!』など、多数の訳書がある。
『魂に秩序を』は、小説ファンのみならず、新潮文庫ファンにとっても価値ある1冊となるだろう。
■書籍データ
【タイトル】『魂に秩序を』
【著者名】マット・ラフ
【訳者名】浜野アキオ
【発売日】2024年6月26日
【造本】文庫
【定価】1,705円(税込)