BLUABLE、伊豆大島沖の水深約1,000mで海藻サンプルの回収に国内初成功
兵庫県宝塚市に拠点を置く株式会社BLUABLEは、東京都の「吸収・除去系カーボンクレジット創出促進事業」の実証として、伊豆大島沖の水深約1,000mに沈設した海藻サンプルの回収に成功しました。深海に沈めた海藻を計画的に回収し、その状態を評価する取り組みは自社調べ(2026年8月31日時点)で国内初となります。海藻を深海に沈めてCO₂を長期間閉じ込める「深海ブルーカーボン」の実現可能性を裏付ける、最初の実測データとなる見込みです。
海藻サンプルの沈設と回収に国内初成功

今回の実証では、伊豆大島沖の水深1,000m級における海藻サンプルの沈設と回収に国内で初めて成功したほか、比較用として500m級および10mでの回収も同時に実施されました。また、500m級での海藻サンプルの経時的な撮影にも成功しています。
回収したサンプルからは深海環境における海藻の分解挙動が分析されます。採取から分析までの一連の手順は、伊豆大島漁業協同組合、一般財団法人マリンオープンイノベーション機構(MaOI機構)、国立大学法人東京海洋大学、国立大学法人広島大学、国立大学法人北海道大学、富士通株式会社との連携によって確立されました。なお、本実証には株式会社invoxが協賛しています。
深海への沈設が持つ重要性と背景
海藻は成長過程で海水中のCO₂を吸収しますが、沿岸の浅い海で枯れて分解されると炭素の多くは短期間で大気へ戻ってしまいます。一方で、水深1,000m級の深層に到達した炭素は、分解されて溶存有機炭素(DOC)や溶存無機炭素に変化した場合でも、その海水が表層と接して大気中に排出されるまでに100年以上を要するとされています。
増殖させた海藻を深海へ沈設して炭素を長期隔離する「深海ブルーカーボン」において、東京都の島しょ地域は大陸棚が狭く、沿岸から短時間で深度のある海域に到達できる地理的特性を持っています。日本近海の1,000m級の深海で海藻がどの程度分解されずに残るかを示す実測データは国内に存在していなかったため、今回の回収成功はその空白を埋める一次データになると考えられています。
実証概要と今後の展開
実証実験の概要は以下の通りです。
- 実施海域:東京都大島町 伊豆大島沖
- 回収日時:2026年8月1日
- 沈設・回収水深:水深1,000m級(および比較用水深500m級、10m)
- 対象海藻:アントクメ、コンブ
- 沈設・回収方法:係留系にサンプルバッグを設置し、約50日間の沈設後に回収
- 分析項目:残存重量(分解率)、炭素含有量、菌叢解析 等
今回は沈設から約50日目のサンプルを回収しており、今後は沈設から100日目のサンプル回収も予定されています。異なる経過日数や水深(10m/500m/1,000m級)の実データを揃え、生態系に影響を与えない海藻の沈降量算定シミュレーションと組み合わせることでCO₂隔離量の精緻な定量化を目指します。同社は取得したサンプルをもとに対象海藻種や沈設規模の拡大を進め、Jブルークレジットなどのカーボンクレジット創出モデルの確立を目指す方針です。
株式会社BLUABLEについて
株式会社BLUABLEは、代表取締役の魚谷 貴秀氏により2024年10月に設立されたスタートアップです。カーボンクレジット創出販売事業、ブルーカーボン申請代行事業、藻場造成関連事業、関連する事業および環境コンサルティング事業を手掛けています。東京都が推進する「吸収・除去系カーボンクレジット創出促進事業」において水産業分野で採択され、本実証に取り組んでいます。
- 所在地:兵庫県宝塚市社町20番7号
- URL:https://bluable.jp/
本記事は株式会社BLUABLEの発表をもとに作成されています。
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