NTT-ATとEVG、AR光学デバイス向け高屈折率樹脂の量産適合性を実証
NTTアドバンステクノロジ株式会社(NTT-AT)とナノインプリントリソグラフィ(NIL)装置メーカーのEV Group(EVG)は、NTT-ATが供給するUV硬化型高屈折率樹脂とEVGの「SmartNIL®」プロセスの適合性を共同で検証しました。評価の結果、量産適用に求められる高いパターン忠実性、連続転写性および耐環境性を確認し、AR光学デバイス向け光導波路の量産に有効であることを実証しました。本成果は「第27回中国国際オプトエレクトロニクス博覧会」(CIOE 2026)に出展されるとともに、評価結果をまとめたホワイトペーパーが公開されます。
高精度な微細加工と量産性の両立が課題に

ARグラスをはじめとする次世代光学デバイス市場では、軽量化と高画質化の両立が求められています。その実現には光を精密に制御するサブミクロンオーダーの回折格子やメタ光学素子の量産技術が不可欠とされています。
この量産技術を実現するには、高い光学性能を維持しながら低コストで製造することが求められており、高精度なナノインプリント装置と、それに適合する高屈折率材料の確保が重要な課題となっていました。
良好な転写性と耐環境性を実証
今回の共同評価では、東京都新宿区に本社を置き伊東 匡が代表取締役社長を務めるNTT-ATが開発した高屈折率樹脂「NH700シリーズ」の1つである「NH762」を用い、オーストリアに本社を置くEVGの「SmartNIL」プロセスおよび「EVG® NIL UV/AS5」との適合性を検証しました。
評価では、テクセンドフォトマスク株式会社のマスターモールドを用い、350nmライン&スペース構造の高精度な転写に加え、45°傾斜型回折格子や最小65nmのメタ光学素子についても欠陥や変形のない良好な転写性を確認しました。また、「EVG NIL UV/AS5」を用いた25回連続転写試験では、転写回数に対する転写パターンの高さ変化が約2.2%に抑えられ、寸法安定性と離型性を確認したとしています。

さらに、高温高湿試験および光照射試験後も転写パターンの構造変化は極めて小さく、AR光学デバイスに求められる耐環境性が確認されました。高屈折率樹脂「NH700シリーズ」の仕様は以下の通りです。
- 硬化膜の屈折率: 1.8, 1.9
- 硬化膜の膜厚: 200nm~1μm (Typ. 300nm)
開発期間短縮への貢献と今後の展開
AR光学デバイスの開発では、材料評価や信頼性試験、量産適合性の検証に長い期間を要することが少なくありません。今回の成果によりナノインプリント用の材料と量産プロセスをあらかじめ検証した状態で提供可能となるため、デバイスメーカーは材料選定や初期プロセス開発に要する期間を大幅に短縮し、量産プロセスへの円滑な移行が期待できます。
NTT-ATとEVGは、今回評価した「NH762」に加え、そのほかの「NH700シリーズ」についても同ナノインプリント装置を用いた転写性の評価を進める予定です。AR光学デバイスのみならず、次世代メタ光学素子、LiDAR、センシングデバイスなどへの応用も視野に入れ、開発および評価を進めていく方針です。
展示会概要と関連リンク
評価結果をまとめたホワイトペーパーは、専用Webサイト( https://keytech.ntt-at.com/adhesive/high-n.html )で公開されています。出展予定の展示会情報は以下の通りです。
- 展示会名: 第27回中国国際オプトエレクトロニクス博覧会(CIOE 2026)
- 開催期間: 9月9日(水)~11日(金)
- 開催場所: 深圳国際コンベンションセンター
- 開催情報: https://www.cioe.cn/CIOE/LP/index-jp.html
両社の詳細情報は、NTT-ATのWebサイト( https://www.ntt-at.co.jp/ )およびEVGのWebサイト( https://www.evgroup.com/ja/ )で確認できます。
本記事はNTTアドバンステクノロジ株式会社の発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



