GoldenHarvest、横浜市の助成事業でアメリカミズアブによる飼料化実証へ
生命産業のR&Dベンチャーである株式会社GoldenHarvestは、横浜市が実施する令和8年度の「TECH-PoC(テック系スタートアップ実証実験等支援助成)」に採択された。本実証では、横浜市内の食品工場等から発生する食品残渣をアメリカミズアブ(Black Soldier Fly、以下BSF)の力で飼料用タンパク質へ変換し、残渣の種類ごとの変換効率と飼料タンパク品質を計測する。実証期間は2027年2月末までで、同社は横浜市から上限200万円の経費助成に加え、実証フィールドの調整や協業先のマッチング等の伴走支援を受ける。
背景と実証の目的
日本は飼料の74%を輸入に依存し、配合飼料価格が高止まりしている。国内では年間500万トンの飼料利用可能な食品残渣が発生しており、水分の多い食品残渣をそのまま食べて育つBSFを活用した飼料用タンパクへの転換が期待されている。幼虫を乾燥・脱脂した「BSFミール」は魚粉に匹敵するタンパク質を含む飼料原料として国際的に利用が進み、日本でも2025年4月に飼料の公定規格へ追加された。
一方で、残渣の種類に応じた飼料タンパクの量や品質に関する基礎データは国内にほぼ存在しない。飼料の価値を決める粗タンパク含有率は与える残渣によって変動するため、本実証を通じて残渣ごとの変換効率とタンパク品質を実測し、産業化に向けたデータ基盤の構築を目指す。

実証内容とGREEN×EXPO 2027への展望
実証では、横浜市内の食品工場等から調理系・醸造系・菓子系など複数種類の残渣を受け入れ、BSF幼虫を飼育する。生存率や成長、変換効率を記録した上で収穫幼虫を乾燥・搾油し、「BSFミール(飼料用タンパク)」「BSF油(動物性油脂)」「フラス(有機堆肥)」に分離する。BSFミールは成分分析により飼料としての品質を評価し、残渣種別のコスト・収益モデルを構築する。
実証終了時期である2027年2月末は、横浜・上瀬谷で開催されるGREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会、3月開幕)の直前にあたる。同社は生成されるフラスを活用し、地域の資源循環モデルの発信や接続を模索するとしている。
株式会社GoldenHarvestの代表取締役である鍬 裕介氏は、実証で取得するデータが国産・循環型の代替タンパク供給網を設計するための基盤になるとし、横浜市内の食品関連事業者との連携に期待を寄せている。
実証に伴い、残渣サンプルを提供する横浜市内の食品工場や給食事業者、エコフィード関連事業者のほか、フラスを有機堆肥として栽培に試用する市内農家や市民農園のパートナーを募集している。
採択概要および会社概要
採択概要は以下の通り。
- 制度名:TECH-PoC(テック系スタートアップ実証実験等支援助成)/横浜市経済局
- 採択日:2026年8月27日
- 実証期間:2026年8月27日〜2027年2月末
- 実証実験計画名称:横浜市内の食品工場残渣を対象としたBSF(アメリカミズアブ)変換効率・飼料タンパク品質の実証
- 横浜市記者発表資料:https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/keizai/2026/techpocgrant.html
株式会社GoldenHarvestは「Unleash potential of life」を経営理念に掲げ、東京大学大学院農学生命科学研究科との共同研究を推進している。2026年6月には農林水産分野SBIR(スタートアップ総合支援プログラム)フェーズ1にも採択されている。
- 代表取締役:鍬 裕介
- 設立:2024年7月23日
- 本社:〒101-0047 東京都千代田区内神田1-9-5 SF内神田ビル8階
- Webサイト:https://goldenharvest.co.jp/
- お問い合わせ先:info-bsf@goldenharvest.co.jp
本記事は株式会社GoldenHarvestの発表をもとに作成。
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