MiZが高濃度水素吸入器の爆発リスクを指摘し本質的安全設計への転換を提言
MiZ株式会社(神奈川県鎌倉市)は、在宅酸素吸入機と高濃度水素吸入器の火災・爆発リスクを比較検証し、安全工学の「予防原則」に基づく本質的安全設計への転換を提言しました。
高濃度水素吸入器では供給される水素そのものが可燃性ガスであるため、装置内部だけでなく呼吸器系などの人体内部でも燃焼や爆発が生じる危険性があると指摘しています。
酸素吸入機の火災事例と高濃度水素吸入器のリスク
産業技術総合研究所(AIST)が紹介する厚生労働省の資料によると、在宅酸素療法中の火災事故は2003年から2021年5月末までに88件報告され、その多くが死亡事故となっています。酸素自体は燃えないものの、他の物質の燃焼を助ける「支燃性」を持つため、火気との接触により事故が発生しています。


一方、高濃度水素吸入器は供給される水素ガス自体が可燃物です。空気中の酸素と静電気や電気火花などの着火源が揃うことで爆発の三要件が成立し、装置や配管内だけでなく、鼻腔や気道、肺内にも爆発性混合気が形成されるリスクがあります。

呼吸器系内での爆発事例と消費者庁の事故データ
水素吸入器の使用に伴い、呼吸器系内での爆発事故も学術的に報告されています。Tsuchikane et al.(2024)の報告では、鼻カニューラで水素を吸入しながら電磁波温熱療法を受けていた患者が、胸部での爆発音とともに全肺葉に広がる肺胞中心性肺挫傷を負った症例が示されています。
また、消費者庁の事故情報データバンクシステムには、出力濃度が67〜100体積%の水素吸入器使用時に発生した顔面複雑骨折や内臓組織破裂、気管支穿孔などの重大事故が複数報告されています。これらの事案は、いずれも吸入環境実証値である10体積%を上回る装置で発生しているとされています。
MiZ株式会社は、常圧の開放空間で気体が拡散・流動する水素吸入環境においては、密閉系を前提とした古典的爆発下限界(4体積%)とは異なり、吸入特有の条件を加味した「吸入環境実証値(10体積%)」を基準とすることが妥当であるとしています。
67〜100体積%の高濃度水素吸入が低濃度吸入より臨床転帰を改善することを示す比較試験などは確立していない一方、濃度が高いほど爆発リスクや被害は増大します。換気や加湿などの周辺対策のみでは人体内爆発を防止できないため、同社は予防原則に基づき、装置の出力段階で水素濃度を10体積%以下に管理する低濃度水素吸入への転換を提言しています。
会社概要
- 商号:MiZ株式会社
- 所在地:神奈川県鎌倉市大船2丁目19番15号
- 公式サイト:https://e-miz.co.jp/
本記事はMiZ株式会社の発表、および同発表内で参照された公的機関・学術論文の情報をもとに作成されています。
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